角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

2010-01-01から1年間の記事一覧

北斎が魅せた浮世絵版画の世界展 

客先で打ち合わせのあと、社長にお目にかかると「どうだ」と聞くので、「つかれた」と答えた。 引っ越しやら何やらをこなして、気持ちがぐったりしている私をえらいなあと言うので、独りだから仕方がないんだと言うと、生きているところがえらいなあと言う。…

初の峠越え

いつか越える日がくる確信を事実に変えた。お日柄も良く峠デビュウ。 引越しの後始末は放って、中山峠に向かう。 お約束の揚げいもを買い、滞留時間15分くらいで戻ろうとしたが、写真の森美術館というのがあるらしい。 道の駅2階の連絡通路を行くと、美術館…

ごたいそうな話

はるばる 可なく不可なく踵なくなく火曜日燃える。 可なく不可なく木曜燃えない。金曜燃える。酔い回らない。 晴天開花に辛夷笑わず、青空呼吸に肺凍る。箱捨て、本捨て、紙捨てた。 服を捨て長着を捨てて襦袢捨て 腰巻を捨て帯捨てた。 ゴミの日からゴミの…

邯鄲三次の夢 

簡単な三時のおやつに似ているけれど。 息をすることの次に大切なのは言葉だといった詩人もいる。 私が日の当らないギャラリーの階段を上る時、絵具のにおいが漂ってきてそれは鼻をつく静けさのにおいだ。 壁の中に海を見る。 絵画のような音楽のような言葉…

たたみかける人 

昼近くに、事務所に向かう。 その前に、もっきりやに寄る。お昼のメニュウが肉の定食と魚の定食各600円のみで、ベンチを跨いでカウンター席につくと、ふりかけなんかが置いてある小さな店だ。 色気もなあんにもなくて、肉待ちしていると、後から来て私の隣に…

引っ越し好きは浮気ものと言われますが。

移動一大事 12番出口らへんをねぐらにしていたMr.12の居場所に、荷物を置いたら撤去するからね、みたいな貼り紙とともに赤いコーンがひとつ置いてあった。Mr.12がコーンになったのかもしれないと思うと鼻の奥が少しだけツンとした。 可愛がっていただいてい…

サラダ喰い。

5番出口付近と17番出口付近に居住している男がいて、ときどき元気かどうか巡回することにしている。5番出口の彼(以下Mr.5)は、もう何年も前からそこに居て、改札を抜ける人々を静かに眺めているのであった。自分もあの辺を極めてちょろちょろするので、…

面倒三月

三月の寒さというのは、たとえば月度の伝票を締めたあとから、わらわら出てくる領収証のようなもんで、それが特に決算月だったりするかのような、面倒な寒さで、昨日降った雪が今朝は溶けていて、でもやっぱり日照の悪い中小路は相変わらず轍ごと凍ったまま…

チュアブル

鳥とすれ違う時であって周囲に人がいないとき、私は鳥を呼ぶ。「とり」と呼ぶ。「とり」と呼ぶと鳩もカラスも「え」、な顔をする。「わたしってとりでしたっけ」みたいな顔で首をひねる。鳥をとりと呼ぶ以外にどう呼んでいいか分からないんだよ、とり。 まだ…

寒戻る3月

打ち切りになる仕事といえども捨て科白のような仕事はしたくないと思っていたら、時節柄イレギュラー仕事が入ったりして、嵐の前の静けさではなく、静けさの前の嵐状態にある。最近では珍しく土曜日曜フルタイム以上を働いた。 さて。 パートの主婦がいる。…

わくわく3月

アウディで迎えが来て、街中をそんなに飛ばして、お昼御飯をいただいた。私は、タコとエビ以外のシーフードをパスタの中から探そうと躍起になり、例によって、相槌もそこそこの、もくもくの女と化していたんだけど、タコにフォークを突き刺した時「地方都市…

うどん3月

一点凝視ってわけでもないけど、パートさんが退けてから2時間以上も私はパソ前で固まっていた。帰りたくもなければ、ネットを使う気にもならず、仕事を続ける気分はさらになく、いやいやの中で身動きを失って、そう、見ウシなう。 まずいなこの状態は、これ…

大健在

奥様に電話を入れるたびに、病状が悪化していくので、しばらく控えていたけれど、数か月ぶりに友人を見舞った。起き上がることも叶わず、目もほぼ見えず、発声は意味をなさなかった。しかし頭脳は明晰なままだ。だから話をしたくて体を震わせ、舌をふりまわ…

流血社長

冬はつとめて。ってわけでもないがトンデモ社長の私はいそいそと雪を漕いで事務所に行く。 8時前にメールチェックをして、メールが来てないのを一目で見てとると、どうにも、バラバラわざとらしいように涙がこぼれてくるので、8時10分まで泣くことにする。 …

年末年始を指標する。

わたしの事務所があるビルは30日ともなればどこも年末休暇に入られたらしく、集中暖房も止まり、つまりビル内で生存反応をするのは二足歩行者としては自分だけという夜だった。 早朝から車で出歩き、半日が過ぎる。仕事も終われないまま、すこしだけ掃除を。…