角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

流血社長

 

冬はつとめて。ってわけでもないがトンデモ社長の私はいそいそと雪を漕いで事務所に行く。
 
8時前にメールチェックをして、メールが来てないのを一目で見てとると、どうにも、バラバラわざとらしいように涙がこぼれてくるので、8時10分まで泣くことにする。 そのあいだにポットにお湯をわかしてコーヒーをいれる。熱いインスタントコーヒーを啜ると眼鏡が曇るから、眼鏡をはずすとなんだか泣きやすいので、特別に今日は8時半まで泣いてしまえ。 
 
さて、 9時になったら仕事を始めるし、アルバイトの人もやがてやってくるから、鼻をかんで、少し口紅を塗りなおす。 そして17時になったらアルバイトの人が帰って、私がずうっと前に送ったメールを読むとジャックポットにあたったみたいにバラバラ涙がこぼれてくるので、帰る前にとっとと泣いてしまえ。 
 
もう面倒なので眼鏡をはずして、ああ運動不足だなあとyoutubeのボクササイズを再生すると、アッパーのところで、おもいっきり机の角に手をぶつけた。ボクササイズを15分くらいで終えると、流血していて、流血社長になった。 
 
家にはヤマイダレの母が一日の語りたいことを抱えて待っている。 母が寝静まり、私がお風呂上りで、最後かもしれないし最後でないかもしれないメールを読むと、あーあ、めんどくさいんだけど。鼻をかんで眠る。鼻セレブを買っといた方がいいな、これわ。 
 
水分を補給する必要があるので、夜はにんじんとかキャベツを絞って飲んだ。朝は果物を絞る。みそ汁もご飯もいただく。煎茶もいただく。卵も魚も納豆も青菜もなんでもいただく。
 
そしていそいそと私は雪を漕いで事務所に行ってメールチェックをして、だらだら代謝する。
そのせいかどうかわかんないけど、事務所のパキラがすくすく大きくなって、机の上にのっけておいたら、もうすぐ天井に届くので、私が青木くん、というのはパキラに付けた名前だけど、青木くんを見上げてちょっと照れ笑いすると、換気のために開けた2月の窓から風が入り込み、青木くんの朽ちた葉っぱが1枚落ちた。