雪が融けたら。と降りだした時から考えているので、融けた今となってはただ狂気のように歩き回る。
サラサモクレンの蕾がふっくらしてきた。桜はまだ。
私は忙しい。陽にあたらなくてはならないし本を読んだり映画を見たりもするし、部屋の中の不用品はしばしば整理する必要があるし、その合間を縫ってパートにも行く。体力作りを何度も再開する。
末尾ではありますが、掃除もしなくてはなりません。
スニーカー履きで歩けるようになると、職場が鬱陶しくなる。いろいろ口をつぐんでいるのにも疲れてくる。旅を栖とす、なんて言葉が浮かんでくる頃だ。
先月の日記に書いたが、浴室の水栓取り換え工事が7万円弱であり、先月のうちに航空券やホテル代の支払いを済ませたので今月のクレカの引落額がえらいことになっている。月々の平均的支出額を上回る額が引き落とされる。ということは今月の支出は通常月の倍以上になる。1年に13か月分の支出になるということだ。まあそれだけで済めばいいのだけれど、これから先は何があるか分からない。
と思っていたら、湯たんぽの調子がおかしい。こぼさずお湯を入れたはずなのに濡れている。
拭いても拭いても濡れる。
数日前まで私は湯たんぽを使っていた。
4月だからというだけで寒いのを我慢をすることもないと思ったからだ。言い訳はともかく、なぜ濡れるのかを調べると目には見えないのだけれど、どうやら傷がついているらしく、しずくがひとつでき、拭くともういちどしずくになり、小さい涙を拭いているような気持ちになった。
何かにぶつけたりということはあり得ないので不思議で仕方がないが、母が使っていたものなので一体いつからあるものか分からない。
目に見えないところから滲み出て待ち針の頭よりももっと小さいしずくになった。
経年とはこういうことなんだとしみじみ自分を考えた。
来季は湯たんぽを新調しよう。そしたら私の方が新しい湯たんぽより先にいく。
そう思うと少し悔しい。湯たんぽに負けるなんて。