昨日のことだけれど、5時過ぎにカーテンを開けると笑うくらいの猛吹雪であった。
7時に家を出た。結構な積雪量があり、犬のように雪を漕いで行った。雪を「こぐ」というのは北海道独特の表現であるようだ。勿論道はあるのだけれど犬仕様なので、ふわふわの新雪に入りたい気分が勝った。
春はやり直し。
時期的に人の移動が多い。パート・アルバイトで店を回すコンビニは卒業シーズンともなればごっそりと人が入れ替わる。シフトが違えば見知らぬままに去って行く人たちもいる。
高齢層が8割以上を占める私の部門でも春は必ずやシフトのマイナーチェンジがあるが今期の特筆すべき事由として異分子排除の動きがある。どういうことか詳しくは書かないけれど、容認されがたい言動によって全員を敵に回してしまった人がいて、その人とは誰もシフトを組みたくないという情緒的な理由がある。
シフト決めの難しさは当店だけかもしれないけれど、実は人間関係の調整が極めて難しく否応なしのシフトを作ると退職者も出てしまう。だから全員にそっぽを向かれる人を誰かと組ませるわけにいかないというわけだ。
私には先見の明がある、という話でもないがもう何年も前に、一緒に組みたくない宣言をしているので今は実害を被っていない。
私たちのしていることは正しいだろうか。
排除というのは辞めていただくということではなく、部門異動となるようだ。
その先に本人の別店舗異動や任意退職があるのかどうかは全く分からない。
私が現役時代の仕事を終えて、初めてのパートに就いた先は老人ホームの調理場だった。序列がはっきりしており、悪口や陰口には無縁であった。言い出せなかった。
しかし調理場は物理的にも閉鎖的であり極めて陰湿な嫌がらせや意地悪が横行していた。私は半年経たないうちに辞めた。
現職場では陰湿さも意地悪もないが愚痴は常にある。するべきことがなされていなかった場合、良い状態になされなかった場合など業務上の不都合に遭遇したときの気持ちの発散だ。根源的な憎しみや悪意があるわけではないから翌日合えば普通に談笑する。誰もがそうだ。
私も自分の耳に入りさえしなければ何を言われてもまあいいかと思っている。おばあさんに近い年齢の人が多いのだからそれぞれ割り切ってうまく仕事をしていると思う。
今回は作業のミスとかではなくて、確かに容認できないことでシフト作業者を本気で怒らせてしまった。全スタッフに相談というか排除の根回しをしている最中だ。
見方によってはなかなか恐ろしい。誰一人も件の人に対してたしなめたり、注意したりということはなく、元気よく挨拶をして時には談笑をしている。私を含む全員が。
私たちは正しいのだろうか。
その人の悪行のようなものは今までも瞬く間に全員に知れ渡っていたことから、ある種スケープゴートではあったかと思う。
その人がいなくなったら次の人が出てくるのではないか、と私は危惧している。
それが職場として健全であるかどうか、どうすればいいのかと考えた時に、私に分かることもできることも一つもないのだった。
私は役に立たない年のとりかたをした。