角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

夢の仕事。

 

独立したものの顧客先に出す見積もりが嫌いだという若い人の投稿を見たことがある。
不思議な気持ちになった。私は見積もりを作るときが一番嬉しかった。見積もりが苦手という人は多分独立自営には向いていないかもしれない。自分の仕事の価値と必要時間を計算できないと仕事は回らない。

見積もりで思い出したのだけれど現役時代にほぼ専属で仕事をしていた会社があった。
当市に本社がある地元企業だったけれど、後に東京本社ができて結構な人数が異動していった。
そのうちの一人から連絡が来て、ある案件について見積もりをくださいとのこと。気が進まなかった。
こちらにいる時から気の合う人ではなかったし、お互いにそう思うから仕事のやりとりもごくたまにしかなかった。

あの時は見積もりを再度提出することになった。たしか打ち合わせののちにもっと詳しく、みたいな要請があったのかもしれないし詳細は忘れている。どんな仕事だったかも覚えていない。
電話で打ち合わせするうちに、やっぱりとんでもなく嫌いな人間だと思ったので、再見積りは桁を変えて提出した。最初のお見積額が10万円だとしたら再見積りでは100万円って感じ。

先方にしたらふざけるなと激高したのだろうと思うけれど、その思いは私も同様だったのでそれでよかった。今でいうところの一ミリの後悔もない。

仕方がなく受けてしまった嫌な仕事というのも多々あって、思い出すたびに苦しい気持ちになる。嫌な仕事を受けるものじゃないなとつくづく思う。何年たっても苦しい気持ちを忘れることがない。
60歳を何年か過ぎてから廃業したのでもう10年近くになるけれど、たまに仕事の夢を見る。好きだった仕事の夢を見たことがない。

 

今朝がたも仕事の夢を見た。親子丼の夢を。これは現今の仕事だ。

肉の変更と若干の製造方法の変更とがあり、リニューアル商品として最近作り始めた。これをなんとか素早く取回す段取りを私はずっと考えている。そして美しくつくる方法も。「手早く」と「美しく」は自分には相容れない目標なのだけれど、そこそこ手早くそこそこ美しくというのをゴールにするのは何だか目標足りえない気がしている。

仕事の夢を見ると朝から疲れてしまうので、今晩は安らかに眠れますように。
いつかそのうち安らかに。