角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

珍しいのか珍しくないのか。

 

先日の朝、小さな仕事の打ち合わせに相手先に行ったのだけれど、しばらくぶりにお目にかかる人はなんだか嬉しそうで、私を担当者に「長いことお世話になっている人、僕が子どものときから(笑)」と紹介してくれた。
確かに私はその人があの代理店に入社した時から知っているけれど当時はそんなに頻繁に仕事を発注してくれたわけではないし、特に親しく話したことなどはないのだけれど、今回も開店のご案内と、今までのお礼を申し上げ、ふたつきの後に、恥ずかしながら厚かましく復帰のご挨拶を送った直後に見積もり依頼をいただくなどして、お世話になっている。
 
当時の代理店はいろいろな人が私に発注してくれたけれど、初めて私に仕事を出す人があれこれと私に説明しようとしているのを、傍らで聞いていた人が「この人なら大丈夫、心配しなくていい」と私に太鼓判を押してくれたこともある。殆ど仕事では関わりのなかったデザイナーさんだったので、本当に嬉しかった。
私の強みというのは、何かすごいスキルがあるとか卓越したデザイン力があるとか、間違いをしないということでもなくて、良くわかんないけどトータルでの信用力なのだと思う。
 
自分でも、何が得意というほどではなくても、きっとトータルでは納得いただけるという自信があった。ギャラ社のCさんにしても、妙に私を信用していて、いくら私が経理・会計は好きではないし得意でもないのだと言っても、信用要素が一番大切だからと言ってきかなかった。そのわりには三万円ですけど。
 
でも、私は実によく間違う人間だ。データベースで間違い、集計で間違い、プレゼン企画書の表紙を間違い、その他いろいろ間違ってばかりだ。だから私は自分がどこで間違うか想定できるし、他者の間違いシーンというのも少しは想像できるようになった。これは私の宝だと思う。ちょっとやそっとの間違いでパニクったりもしない。落ち着いていられる唯一の根拠は、どんなに酷く間違ったとしても、命まではとられないだろうということだ。
当たり前だけど、いつもいつまでも間違っているわけではない。
それにもちろん誰からも信用されているということでもなくて、私を嫌いな人や、どうしても仕事的にウマが合わない人とは仕事をできないので、そういう人々にとっては私は災厄のような女なのだろう。つきあいをしないので、どう思われてもどうでもいいけど。
 
打ち合わせ時にいただいた資料は企業のロゴの入った袋に入れてくれたので、小雨の中を濡らさないようにして帰った。自宅近くで、誰かが私の傘をのぞきこんで、おはようございますと挨拶してきた。珍しいというか珍しくないというか分からないけれど、息子の出勤だった。
 
息子自体はその前日にご飯を食べたので珍しくないけれど、そんな時間に外で出くわすのはとても珍しい。
 
企業の封筒を見せて「仕事ですから。キリッ」と言ってみた。なんだかとても誇らしくなった。この40倍くらいは仕事を受け入れる余力があるのだけれど(笑)