角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

はちみつ

 

打ち合わせが終わり、雑談の時に、共通知人である裏方の作業をする人の話になった。彼は当事務所の壁を貼ったり、本棚を作ったりの作業を引き受けてくれた人物で、ドラマのロケなんかには同行してセットを組み立てたり、たたんだりする仕事人なのだが、初夏の頃は、あまりの仕事の無さに田植えのアルバイトをしていたらしい。
 
仕事がみんな余所に流れているのだという。
その原因として、時間にあわせて加減した作業をしないから時間通りに仕上がらない、いろいろなかなか仕上がってこない、それさえなければ人柄も仕事の出来も良いのだから、みんなが彼に任せたいのだ、という。
 
その話をiさんに教えながらスタイリストの人は、「生きて行くのが不器用な人なのね」と言って少し涙声になった。
 
私は違うと思ったので、黙っていた。
事務所の壁に穴をあけたりしている時に初めてお目にかかった彼は、確かにとても良い人だった。正直そうな人だった。
でもそんなふうに美化するのは良くないと思った。
 
凡そ世間的にはそういう同情的共感の言葉に対して「優しい人だなあ」という評価がされるっぽいので、みんながそういう「優しさ」に満ち満ちて世の中を回していけばいいんじゃないかな。ふん。
 世間には嘘が溢れている。
 
蜂蜜が白く結晶すると湯煎にでもしなければ容器からでてこない。結晶するのを防ぐ方法を調べたときは、冷凍すると良いと書いてあった。冷凍してみるとたしかに白く結晶はしなかったのだけれど、凍結しているので湯煎にでもしなければ容器からだすことができなかった。
 
ゆで栗は冷凍して解凍すると渋皮も剥きやすいとあったので、冷凍して解凍したのだが、事態は困難を極めた。
油で炒める良いとあったので、今度はそれを油で炒めたのだが、事態は変わらないどころか、手がべたべたして扱いが余計困難になった。
 
ゆで栗は、いただきものであって、自ら購入することは一生ないと思うけれど、蜂蜜は悔しかった。あながち嘘ではないだけに悔しかった。
 
あ、それと、ビジネス的に、明日の午後というのは、きっと明後日の午後と一緒ではないと思うので、時間に間に合えない時点でアウトに決まってる。