角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

うどん3月

 
一点凝視ってわけでもないけど、パートさんが退けてから2時間以上も私はパソ前で固まっていた。帰りたくもなければ、ネットを使う気にもならず、仕事を続ける気分はさらになく、いやいやの中で身動きを失って、そう、見ウシなう。
 
まずいなこの状態は、これは泊まりかな。というときに電話が入って、女友達が鍋焼きうどんを食べに行こうと言う。
2回拒絶する力はなくて、ぼんやりと西方向にタクシーで向かい、うどんの具をつまみながらビールを飲んで、だんだんと口数が少なくなった。
帰りたくもなければ、ここに居たくもなく、どこか行きたいところがあるわけでなく、ビールだって、てんで飲みたくなんかなかったんだ。
 
家族ぐるみ、といえば私は「犯罪」としか後に続く言葉を知らない。あやしいアットホームな3月のうどん屋はネットで見たら人気店なんだそうな。私はなぜだか分からない。私は人を信じられなくなった。何もかも嫌いな店だったんだ。私は人を信じられなくなった。人気店とはなんだ、それは。
 
うどん3月三寒四温のいらだちは、居場所をなくした。目をなくした凝視だ。
 
私はつまんなくて耳から血を流しそうになった。よくわかんないけど。
 
そして金輪際誰とも口を利かずにすごせたらどんなにいいだろうと夜更けの凍結路面を徒歩で帰った。話すことなんてない。書くことなんてない。私の、わたしの、わたしの彼は左きき♪。じゃなくて、わたしの今日は事務所でフリーズドライごっこをしていたい今日であった。
 
牛の涎のごとくにしゃべり続ける人にときどき感じる恐怖がある。もし話が途切れない時、生きて帰れるだろうかと私は思う。3月は嫌いなんだと何度書いたら分かるんだ。うどん3月三寒四温のいらいらな幸福感が嘘に満ち満ち、2月の私はいない。