角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

日々の金箔。

 

日本料理の実習で金箔を使ったことがあった。小瓶に入った金箔をピンセットで微かにつまんで料理に飾るのだけれど、いや、その軽いこと。あまりの軽さにうっかり笑うと、ふわりと舞い上がる。それが可笑しいといって笑うとついには収拾がつかなくなる。
それで、金箔のそばで笑うなという有難い教訓を得たのだった。
 
昨日はいろいろなことがあって、いっぱい歩き、プールの日である今日は、一時間間違ってしまい、終わる時間に到着した。今からボケないでくださいと、インストラクターさんが言う。
一時間間違えたことには理由があって、私はアラビアータのことを考えていたからだ。終了時間を思い、そこからまっしぐらに帰宅してペンネを茹でる算段で、袋をキッチンに出しておいた。鷹の爪も1本出しておいた。
終了時間のことを考えすぎて、終了時間に到着してしまった次第。
 
アラビアータの美味しい作り方を覚えてしまったので、直近で3回作った。
私は不思議に思う。なぜ今まで作らなかったのかを。アラビアータはずっと前から存在しており、ずっと前から好きだった。簡単な材料と工程でたやすくできるシンプルな皿だ。なぜなんだろう。
 
 
私は踊る金箔だ。あなたの行間の吐息に踊る金箔だ。音も立てずに舞い上がる暗闇の金箔だ。
 
とりあえず明日はトマト缶を買いに行こう。
私の前にたくさんのなぜが立ちはだかる朝は「ああ国境の南だ」と思う。
 
朝は金塊のごとく。