角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

伯楽2月。

 

2月もぞろ目を過ぎて、鰤はぎりぎりに壱岐から到着。にぎり、肝和え、吸い物、おつくり、照り焼き、ブリ大根、ブリ蕎麦と正真正銘の鰤づくしとなった。壱岐の鰤なので、お酒は九州のものを数種類。
定置網ではなくて一本釣りの鰤にこだわって仕入れたため、相当固くて捌くのに苦労したそうだ。前日、捌きたての切り身を皿に一杯、食べてみなさいと差し出されて、大変美味だったものの、自分は加熱した魚のほうが好きだ。酒もご飯もなく、皿一杯とか(笑)。
 
とても惹かれたのは蕎麦で、圧力釜で加熱したアラを粉砕してペースト状にした熱いたれに冷たい蕎麦を絡めていただくという趣向。これはたれだけを味見したけれど、あきれるくらい美味だった。言ってみればサバ水煮缶に醤油をたらした味なので、自分なんかはそれで十分かと思う。
 
四季を一巡するとその折々の食材があってそれぞれに扱い方が違うから、食材品目の多い日本料理を本格的に修行するならば、やはりあっというまに10年くらいは過ぎてしまうのかもしれない。私は春先の筍に強く期待していたけれど、今年の筍は高価だから仕入れられないかもしれないと店長が言うので、なかなか愛しいものには巡り合えない。
 
そういえば昨年の春先は筍で怪我をして皮膚科に行った。筍の皮のかたい毛が指に刺さってとれなかったためだ。そんなバカっぽい目に合うのは自分くらいなんだろう。検索してもそういう例がでてこない。いくら好きでも相性が悪いことだってあるのだと思う。私だけに突き刺さって抜けない棘だ。