角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

蕎麦屋納め。

 

蕎麦屋の客の入りは今日の昼で、ぷつりと途切れたと言う。夜の客が入らないので、私の最終日を早くあがった。
大掃除はできていない。明日は蕎麦を買いに中心部まで出かけ、そのあと調理態勢に入るので、大掃除は、やはり年明けだ。
1、2月は従来の仕事があるけれど、3月以降の予定は全く立てていないので、糸のきれた凧状態となる。開業については再考を重ねているけれど、未だ決められない。1月中に決めこまなければ大惨事は目前だ。
 
自宅営業から賃貸店舗での営業に方向転換したが、最も大きな違いは地代家賃だ。飲食店経費の内訳は家賃、人件費、食材仕入れがそれぞれ3割程度、残りの1割が諸経費と言われている。

固定費を抑制するために、人件費は当面自分ひとりと試算する。体力的及び経験値的に自分の力でできる規模は5席くらいが適切だ。地代家賃方向から考えてもせいぜい10坪未満の居抜き物件にしか手がでないから、仮にフルで7席、着席率7割で5席程度が妥当と考える。まるでkioskみたいな店構えということになる。
5席で、例えばランチと夜の2部営業をすると大体営業時間は7時間となる。7時間といえば聞こえがいいけれど、夜は早じまいをするつもりだから、せいぜいランチ2回転、夜1回転だろう。これでそれなりの客単価をかけて、月20日程度の稼働をしたとして、これでは全く採算しないことが分かる。
 
ランチというのは、一見簡単そうに見えて、実は難しいという記事を見た。素人考えでは、端的に言って前夜の残りを安価なランチに回すと在庫ロスが少なくなると考えがちだけれど、夜が少量多品種な構成であるのに対し、ランチの構成は少ない品種で大きなボリュームを要するところから、昼に使用するほどの残余はなく、むしろ別な店を切り盛りしていると言った方が良い状態になるとあった。しかもランチは安くて早いことが一般的な条件だから、仮にランチで2回転3回転したところで、5席程度ならば労力が大きい割に、大きな売り上げは全く見込めない。
 
今までやりたかった朝食は、自宅の日差しや静けさやベランダの植栽が要件だったから、それを外でやるのは無理だと思う。夜の店と朝の店では立地も求めるところが違うのだと考える。

自分のしたいことがフレンチとかイタリアン、あるいはカフェならばそれほどアルコールの必要性はないかもしれない。けれど和食はアルコールとの結びつきが非常に強いから夜間営業するならば避けて通ることはできない。なんとか極力アルコールを避けようとすると定食屋のような按配になる。それでも十分に目的は果たせるのかもしれないけれど、今度は席数の少なさが仇になり、安価な定食では経営がなりたたない。
 
どこかに発想の突破口があると私は思っている。まだ全く考えつかないけれど、弱みはすなわち強みに転じることができると考えているけれど、SWOTをどう捻り回そうと、売上が見込めないことは強みにはならない。
けれど、どこか発想の転換口というか、別な見方、切り口はあるのではないかと思う。手も足もでなくて、そうですかと引き下がるようなことがあってはならないと思うのだ。まあ、意地なんだけど。
 
学校のクラスメートや先輩方の中には「料理研究家」をとっとと名乗ったりして、料理教室を主宰したりしている人もいて、それならアルコールとは無縁だし、こぎれいな感じがする上に、「せんせ」とか呼ばれるけれど、私はそういう性分ではない。
 
あと、ひとつだけ付け加えると、飲食店開業は私の夢ではない。
 
夢は、ぼんやり一人旅をすることです。