ややしばらく死にたい感が続く。
私は料理を失敗するくらい情けないことはないと考える人間だ。
何度かこんなことはあった。
結婚していたときは、一度、腹立ちまぎれに夫を外に出した。
ひとり外食をお願いしたという意味だけど。
いらいらする。いらいらしても誰のせいでもないので死にたくなる。
どうしてこんな失敗をするのかというと、頭が悪いからに決まっている。もう最低だ。聡明な女は料理がうまいとかいう本もあったことだし、聡明でない私は、ときどき言い訳できないくらい失敗するのだ。
フライパンごと遠くに行きたい。
私は気が短い。料理の失敗は最も逆上するできごとの一つだ。
できそこないは見たくもないので一気に全部捨てる。
そのために生ごみ処理機がある。
母は、料理の味付けが非常に上手だった。けれどテレビや新聞で知った新しい試みが思うようでなかったこともあったかもしれない、捨てたのを見たことがある。
私がまだ子供の頃だけれど、私は、その時のかーさんの気持ちが瞬時に分かった。だから声をかけなかった。
ああ美味しいと思えるものは年に何回かはできる。日々に料理らしい料理をするわけでもなく、週末に気合を入れるわけでもないから、そんなもんだと思うけど。
美味しいので泣きそうになったことがある。
同じなのだ。捨てる時の気持と美味しくて泣きそうな時の気持ちは同じだ。
つまんない女だと思う。