角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

持ったまま眠れるようになった。

クレームが発生して、重篤な日々を過ごした。はじめてのクレームだ。

繰り返し書くと、自分の仕事でクレームがついたことは今までない。雑なミスはもちろんあったけれど。 
そっこーで客先に向かう。
「一体今回はどうしたんだ、あなたがやったんじゃないんでしょう」と言われる。 

私は悔しくて泣きそうになったけど、仕事シーンで泣いたりすることを私は絶対に自分に許さない。 ミスして泣くのはバイトのねえちゃんだ。そういう現場に居合わせたことがあるけれど、バイトのねえちゃんは甘えたい男が傍にいるから泣くんだなあと思った。 

まあとにかく、そんな目にも合わないでこれたのに、少し泣きそうになったのは余計悔しかった。 だけどこの悔しさが間違いなんじゃないかと考えた。 今までは、芸歴が長いせいで、社名よりも個人名の方が認知度が高いし、つい去年くらいは、このまま独り細々やっていこうと考えていたのに何だかまるで気が変わってしまった。目的ができたから頑張れる。 それで個人名は捨てようと思った。

だから悔しいと思うのは自分が自分が自分がで生きてきた個人の意識であって会社の意識ではないと思った。 スタッフが増えてクオリティが落ちるのは、そりゃどう考えたって良くない。ここを乗り越えなきゃ絶対に会社らしい会社にはなれない。苦し紛れに色々ググると、どこぞのサイトで「経営者は努力に逃げるな」と書いてあって、衝撃的だったけど言ってることはすごく良く分かった。
今の段階ではもちろん無理だけど、自分の仕事を少しずつマネジメント方向にシフトすべきだと気がついた。 
自分自身は今の仕事を誰に教わったわけでもなく、誰かに教えたこともないので「あんたには人を雇うのは無理」と言われたけど、俄然張り切る。私が好きなことは「無理なこと」だからだ。 

客先でひとしきりの謝罪の帰り際、「次の仕事が動きだすから着手してくれ」と言われたので、下げた頭をなかなか上げられない。日をおいて、同じ客先からまた別件の依頼を受ける。 

いろいろ落ち着きたかったので、ごはんどき、ぶらぶら歩いて電車通りの居酒屋に行った。煙っぽい中で、私は箸で茶碗を叩いたりもせずに、静かに岩のりの味噌汁をいただいた。 

最近、持ったまま眠れるようになった。 

マウスを。