角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

あずきアイス好き。

 

多分きょうあすが私の夏休みなんだろうと思ったので、朝からプールに行こうと考えたけれど、少し本を読んでからにしようと思い直し、お昼にパスタをゆでて食べたら急に銭湯に行きたくなったので、プールはやめた。
プールも銭湯もなんとなく似ているし。
露天風呂でゆっくりしたかった。いつもそう思うものの、なかなか静かにゆったり長時間を過ごすことは難しい。私はせっかちなので長いこと湯船に浸かれない。
 
帰りにパン屋さんによったらお盆休業だったので、なるほど人通りも車も少ないわけだと納得。
 
井村屋のあずきアイスをくわえながらひたすら数独をする。こういうのが私の夏休みの楽しい過ごし方だ。どこにもでかけないのが一番静かなのだ。
 
 
夏の思い出というわけではないけれど、思い出したことを。
もう何度か日記に書いているはずだけど思い出すたびに書きたくなる。
 
DMを出すために、条件によってセグメントして欲しいと通信事業最大手の会社から依頼された広告代理店の営業氏が、データが入っているというディスクを持ってきた。私が手にしたのは夕方五時をかなり過ぎた時間だったけれど、データ数が多いだけで案件としては実に簡単な依頼ではあった。
中のファイルはアクセスで、膨大な件数のため当時の私のパソコンではなかなかサクサクと動かないくらいの重さであった。営業氏の言葉によると、データは完璧なのでセグメントするだけで完了するという。
 
ところが、いろんな方向からやってみるといちいち結果が違う。 
あっと気がついたことがあって、これはプリントアウトしてデータのかたちを見ないといけないと思った。
 
自分のプリンタの出力時間を把握しており、その件数をプリントアウトするのに1時間や2時間では到底終わらないことが分かった時点で、私は当社つまり私の事務所では扱えないと、営業氏にディスクを返却した。その上で、データのことについてご報告したいのだが、と言いかけると、とても変人の部類に入る営業氏に、お前の話なんか聞かないという意味のことを強く言われたので、ご報告はしなかった。
 
その後起きたことは彼らにとって地獄のようであった。あははははは。
例えば、性別欄があるから男女別に分けてね、という話だったとしても性別欄がB列だったりC列だったりする、データ以前のものだった。つまり13列あるデータと11列だったり14列だったりするデータが混在して一万件以上あったのだった。ただのくずです。

それをお伝えしたかったのだけれど。それって死ぬほど重要なことだと思うんだけど。まずデータとして話にならないということを言いたかったんだけど、聞かないと言われたらもう言えないし。
   
代理店の人たちが夜通しかけてプリントアウトしてデータの全容を理解したようだけど、翌日の朝礼では社長が烈火のごとく、データのセグメントもできないのかとお怒りになられたようだ。

大手通信事業者の担当者からは後日、だめデータを渡したことについての謝罪があったようだし、その後該当部署から異動になったと伝え聞いた。
広告代理店の営業氏は2名で担当していたのだけれど、おふたりともいつの間にか辞職なさった。
 
あやしい案件には近づかないというのが私の仕事上の持論であるので、胸をなでおろした。
引き受けていたら死んでいたな、とぞっとする。中身も意味も分からない人には「データを男女別に別けることもできないのか」というような話にすり替えられるだろうし。
 
どう思われようと構わないので、できないものはできないと言うこと、逃げなきゃいけない場面ではとるものとりあえず素早く逃げることを私は学んだ。非力な人間にとって逃げ足の早さは生きることに直結する。
自分と息子の生活がかかっていたのだから、どんなことがあっても自分の評判をおとすような危険域には入らず、自分の仕事を守って生きる必要があった。私はそういうふうに生きてきた。
だから、私が説明しなかったことについて良心の呵責はないのかと言われれば、全くない。