角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

茸のキャラメリゼって。

 

7月分の給与は交通費を含み36,848円だった。とびとびにしか行かないので給与明細がいつ、どなたからいただけるものか実は知らないのだけれど、明細書をもらうために仕事に行くわけではないので、8月の半ばにやっと入手したとしても何らの問題もない。
 
数日前の「終わった人」をいとぐちとして定年退職周りの本を読もうとしている。たいていは軽い読み物なのであっという間に読んでしまう。重松清の「定年ゴジラ」を読んだ。これは面白かった。明日あたり「定年後のリアル」がポスティングされる予定だ。
私自身は会社を定年退職したわけでもなく、なんとなくいろんなことがあって、ゆるくいつの間にか廃業したというのが正しいので、関係がないといえばないのだけれど、とにかく興味津々で読んでいる。
私の方は極めてロングテイルな感じで軟着陸したけれど、サラリーマンの人が昨日と今日の間にきっぱりと線引きされるように退職日があるのは、おせっかいとはいえ、気持ちを宥めたり共有したい気分がある。でも私はいろいろ下手なので「今、どんな気持ち? ねぇ、どんな気持ち?」と煽るaaと誤解されるのかもしれない。
 
小町で、パートに関わるトピをいくつも読んだ。曰く、「時給が800円だなんて、小学生ではあるまいし」「能力があれば高い時給の仕事ができる」「低い時給にしかありつけないのは無能の証拠」「調理関係の仕事は何もできない人間がするもの」等々。
 
小町には老若含めて主婦が多そうなので、その夫の世界観のようなものも反映することがある。つまり、主婦がたわけたことを言っているのではなくて、社会的な考え方のひとつの典型が垣間見られると私は考えている。
 
ちなみに平成27年10月8日効力発生の地域別最低賃金を見ると北海道は時間額764円だ。人には歴史もあれば理由もある。

たしかに調理関係の現場は人種が違うような気もする。しかし面接時、本社の幹部の人は「簡単な仕事といえども、どうしてもスピードがでない、どうにもこの仕事ができないという人もいるものだ」と仰った。とすると何もできない以下の人間ということなのだろうか。
時給1万円のパートは時給800円のパートよりも高等な人間なのか。
生涯年収の多寡で人は評価されるんだろうか。
大企業にお勤めのサラリーマンは零細企業の会社員より偉いものなのか。
お金持ちが偉いんなら、貧乏人は馬鹿なのか。
    
多分世の中的には、経済的な側面だけを偏重しているから「貧乏人は馬鹿」と思う人間は一定数以上いるのかもしれない。
私は、あまりそうは思っていない。いえ、全くそうは考えていない。どんな組織であれ、バカな人間とそうでない人間がいると思っている。
社会が混沌し、流動するものである以上、清澄部分だけを取り出すことはできないと思う。どんな大きな容器も小さな皿も等しく混濁していると私は考えている。
 
だからといって。
 
何も私は忍耐の人ではないから、いや、忍耐を美徳とする人間ではないから、3万円そこそこの収入に見合う職場環境でなければ行かない。今日は行けても明日は行けないかもしれない。
 
そこで。茸のキャラメリゼだ。インスタの中の人も大変だと思う。これを見たときは少し吹き出しそうになった。くだんのきのこはディーンアンドなんたらのお惣菜名称らしいけれど、キャラメリゼというのは簡単に言うと砂糖を焦がす系の行為だと思ったけど、それで製菓で良く聞く言葉だけど、なんか焦げ感を出すことにも転用されているようで。これはただ、よぉく炒めて酢醤油(笑)を投下するからジュッと焦げやすくなると。
あちこち茸のキャラメリゼが頻出しているのがとても可笑しい。情報自体は古いので今更感があるけど、私は最近やっと気づいたところなので。
 
昔2chで友達がキャラメリゼをキャラメリゼーションと言う、というスレッドが立って、これもすごく面白かった記憶がある。もう面倒だからキャラメリングでいいじゃないかと言い出した人もいて。
 
キャラメリゼがどう蔓延しようと一向に構わないし、仕事に通うのも少し飽きてきたところだし、次や次の次に読む本も積まれていることだし、見たい映画もたくさんある。けれど、なんでもありではないのだ。
 
あなたのおうちがキャラメリゼであったとしても、それはあなたのせいではないと私は思う。けれど、あなたの笑い所がどこにあるかはあなたのせいだ。私は言ってみれば、あなたを好きかどうか分からないであなたを好きになった。儚さや脆さの上に、あるいは私の間違った信頼の上に築かれた倒錯性だ。クレームブリュレの焼き目をスプーンの背中でコツコツしない選択なんかない。