角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

売却が確定。

 

例の売却の話は、確定した。ずいぶん仕事の早い会社だった。何社かに査定依頼が流れて、他社からやっとメールで査定額が届くころには、すでに買主が決まっていたというわけだ。今しがた、以前のお店の時にお世話になった不動産会社の人から電話がきて、今はバブル並みにマンションがどんどん売れて在庫がなくなったという話を聞いたので、やはりスピードは大事だと実感した。
 
 
今日は印鑑証明をとりに行ったりした。こういう処分の仕方で良かったのだと思う。ここにずっと住まなければいけないと母に言われたわけでもないし、息子は札幌には執着していない。母に少し手伝ってもらったとはいえ、私が仕事をして買った部屋を、私の老後の一助にするのだから、そんなに間違ってはいなかった。一生懸命仕事をして良かったと初めて思った。欲を言えばきりがないので、上出来だ。
 
息子が引っ越したなら、簡単なリフォームを予定している。小さい部屋であるし、築年数も古ければ、私もそんなに長く住まうわけでもないと思うけれど、使い勝手のよいように、きれいにしておくと、それを二束三文で売却したとしても私に関わる諸経費を賄えるのではないかと考える。発見が遅れたりすると買い手がつかなくなると思うので、兆しを感じたらとっとと看取り施設に行くことにする。
 
これで十分ではないだろうか。母の配慮もそんなところにあったかもしれない。私よりはずっと物事をきちんと考える人だったし。
 
あとは私が日々を楽しく過ごすだけだ。それがなかなか難しいのはなぜなんだろう。
 
今の職場を辞めたい理由をひとつ書いておく。えーと、髪がぺたんこになるからです。年齢とともにやはり髪の毛も老化して細く柔らかくなってしまい、ハリとかコシとかがただでさえなくなっているのに、職場ではずっと白い頭巾をかぶっているものだからペタンコが常態になってしまい、かなしいのです。化粧も全くできなくて完全すっぴんなのは女を捨てたみたいで、これもかなしいです。
私は、あのひとにお目にかかることは多分ないと思うけれど、それでも、男の人は長い髪がお好きだときくので、髪を切るに切れず、なんとなく伸ばしてやっと肩先まできたけれど、でもぺたんこ。
 
高校生の時、私は髪の毛が多くて長い髪にバレッタ(髪留めのことです)つけると、弱いバネならば、じきにはじけてとれてしまったことがあった。それが十二分に大人になった日、長い髪にバレッタをつけると、するするとバレッタが滑り落ちてしまったことがあって、しみじみした。
 
切るに切れずに切りだせず、それはあのひともそうなのかなと思ったりする。
 
あ、そういえば、予防注射の時に泣いてたおばあちゃんが、この前、食事の後で私に会釈をしてくれた。その後にお見かけしたときもニコニコしてくれて、本当に嬉しかった。泣いてるばあちゃんよりニコニコのばあちゃんの方が絶対にいい。話しかけたかったけど、もしかして耳が遠かったら悪いなと思って私もただニコニコした。
私は私の好きなひとがニコニコしてくれたらどんなに嬉しいだろうと思う。どうやったらあのひとはニコニコしてくれるんだろう。ああますます私の髪が寂しくなっていくようだ。