角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

額装を覚えた。

 

蕎麦つゆは出汁とかえしを配合する。出汁は都度ひくにしても、かえしの方は寝かせると美味しい。今使っているかえしは年末に作ったものなので、常温保存で冬を越した。
かなり美味しい蕎麦つゆができてほっとするけれど、もすこし出汁が太くて強い方がいいかもしれない。蕎麦は上品なうやうやしい食べ物ではないのだから、厚削りや鯖節なんかも入れてぐつぐつ煮出す二番出汁がよいかもしれない。そうすると、かえしをクリア、出汁をクリアし、残るのは蕎麦だ。これがなかなか美味しい生蕎麦が手に入らない。
そんなふうにして味覚はとんがっていくのかもしれない。
 
ひさびさのんびりとお昼に自宅にいることができ、蕎麦にした。

 
追加発注した額とマットと作品が揃い、やっと作業を始めることができた。マット紙の裏に作品をシールのコーナーというかコーナーのシールを使って貼り付ける。額縁の方はアクリルガラスの表と裏にあるフィルムを剥がし、静電気止めの液体を使ってウエスで拭いてから作品をセットする。作品は必ずしもマット紙の中央に配置するものでもないから、自分で見てフレームを決める。
フィルム剥がしのせいで軍手を2双だめにした。2日間かかって額装し、3日目にお客さまにすぐお渡しできるようにセットし、本展に関する私の作業は、あとは末の振込を残すだけとなった。良い展示だったと思う。もうこれで私はある程度の額縁の種類と大きさを把握したし、額装のできる人になった。とても嬉しい。
 
確かに私は労働作業が好きな、いわば肉体派なのだけれど、それはタフで力があるということではない。私は疲労困憊する女だ。しまいには口がきけないほど疲れ果てる。帰りも遅くなるので、とても台所に立つ気持ちにはならず、コンビニで缶チューハイを買ったりして、これは肉体労働者の真骨頂なのだと実感した。帰りにヨシギュウに寄ったりするともっといいかもしれない。
 
現在、ギャラリーでは新しい展示の開催中だ。そして私は次の展示のプレスリリースを作っている。なんか横文字がカッコいいけど、ぜんっぜん難しいものではなくて、取材に来てね、という案内文なので、そんなのはすぐに作るけれど、あろうことか、そんなものにまでCさんはダメだしをしてくる。大体、昔からそうなのだ。企画書を頼まれて書いている時も、私の方はここを短い言葉で締めたい、と考えている部分で彼女は長くしてくれと言うし、ここはこの写真で、というところで彼女は別な写真を、という。いつも大体完全に正反対で気が合わないので、OKをくれなかったりする。もし立場が逆で彼女が文章を書いて、私が代表者であるなら、絶対にOKを出さないに決まっている。
私が冗長なのは日記だけであって、リリースなんかはさらっとさくっと箇条書きでもいいのではないかと考えているのに対し、あちらはなんだか思いのたけを書きこませる気持ちでいるようだ。

数日前に宅急便が届いているのだけれど、そんなこんなで開けるひまがなく、もしテレビドラマのように中身が時限爆弾ならば、もうとっくの昔に爆発して私がいなくなっている頃だ。
 
ギャラ社は、まちのまんなかにあるけれど、たいていは汚れ作業なので、それなりのデニムとかで通う。私は、島田順子さんのような年の取り方をしたかったというのに、本当に思うようにはならないものだ。爆発した方がよかったかもしれない。