角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

大体合ってる。

 

土曜日に、2月中旬からやっていた展示が終了した。かなりの動員数があったと思う。売上も目標額の9割以上達成した。終了時間の19時以降は、各数字を出す。作品は委託と買取のものがあって、すなわち要返却とそうでないものがある。追加発注分もある。額についても借用したものは返却し、追加発注の数量も確定し、額とマットは1対1なので同数の注文をする。本や雑貨などのグッズについても委託と買取があって、追加注文の分と返却のものがある。
 
当初、オール委託という話で、こちらの方では制作物などをすでに進めていたところ、途中から急きょ買取りでと言われ、この時はかなり焦った模様。
結果、4割くらいを買い取ることで実現した。その間、原画をご家族からお借りするはずが、どういうふうに風が吹き交わしたか、やはり貸せないという話も持ち上がり、これも相当に焦った模様。なんとか貸していただき、展示は成功裡に終わったかに見えた。
 
最終日は代表者が出張しており、そのせいもあって私が駆り出されていた。自分の担当の数字、といっても本来は例のしゅふさんがすることなのだけれど、Cさんが絶対に任せられないといって私に振った仕事、それをまとめて帰宅した。夜更けてから出張先のCさんからメールが届き、奥様からきたメールも転送されてきた。
 
マットが違うのだという。
 
私は、特権としてギャラリーの展示を時間外にゆっくり堪能したとき、どうしてこの作家の人はこういうふうに描いたのだろうと、何かものすごく小さな違和感をいだいたのだけれど、それがどういう意味なのか、その時私は全く知るはずもなかった。
 
ご夫人はご丁寧にも良い例、悪い例として画像も添付してくださっていたが、当ギャラリーのマットの窓は大きすぎた。メールによると、故人は、マットを前提にして描いており、かなりマットにはこだわりがあったのだという。だからマットに隠れる部分も描いていたとあった。それで画像を検索してみて納得した。端の方はきっちりマットで隠されており、当ギャラリーで見た曖昧な輪郭線などは見えなくなっていた。
 
その指摘を受けて、思い切りホテルで吐いてしまったとCさんのメールに書かれていたので、さもありなんと思う。
買い上げたお客さまへの納期のお約束、ギャラリーで見たのと違う額装でのお渡し、加えて窓抜きサイズの指定とか、緊急に対応を迫られることばかりだ。
 
昨日追加発注した作品が届くまでに2週間かかる。2週間を待たずに新たな展示が始まる。事態はこの後一体どういうふうに収束していくのか、目が離せないところだ。
 
といいながら、私は数字を出しただけで、今週いっぱいギャラ社には行かない。自分自身の他案件を自宅で作業しているためだ。自分がいたからといってたいして役には立たないだろうと思うのだけれど、肝心な時にいないというのは、現場のさまざまなニュアンスをとりこぼすから仕事を継続していくのなら、良くないと思った。だから同じことがパートのしゅふさんにも言える。いたりいなかったりすると、それだけで任せられない部分がでてくるから役に立たないのだ。個人を責めているのではなく、時間が細切れだと自ずと仕事内容も限定的になってしまうということだ。

おなじことが一般的に、育児中や、介護中の社員についても言えるから、各人のさまざまな働き方で共通の仕事をしていくのは、かなり難しいことだろう。ギャラ社のように代表者が決して文字で指示せず、何もかも全て口頭で、みたいな会社は、聞いている人によってニュアンスの解釈が違うから、本当にわずらわしいし。
 
あ。そういえば最終日の現金をしゅふさんが数えていて、合いましたか、と男性スタッフがきいたときに「大体合いました」と答えたのをきいて個人的には超受けた。現金は「大体合う」ものではないだろう。
 
そして彼女は帰宅した。
 
私は私で、あらかじめ予定していたとはいえ、自分の仕事を最優先にしているのだから、あまり人のことを言えたものでもない。