角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

朝顔が私を見ない。

 

朝顔はフライングソーサーという種類らしい。名前とはうらはらの爽やかで清々しい花だ。それが5つも6つも咲いて、しかし、正直なことに私を一顧だにしないで陽のあたる方を向いている。
一日に何度も眺めてしまうくらい綺麗なのだけれど、恐らくどんな種類の朝顔が咲いたってやっぱりどうしようもなく綺麗で、ずっと眺めてしまうんだろうと思う。
 
ベビーリーフの鉢はもう一つプランターを増やし、時々は朝摘みを朝食の皿にのせたりする。それから糠味噌はちょうどよい頃合いに当ると本当に美味しい。

それですっかり、自分が幸福なんだと思っていたけれど。

通販サイトをあちこちしていたら、いきなり旅行用品と旅支度的画像があらわれた。抑え込んでいた気持ちが少しこぼれた。遠回りしながら近づくことだったのだ。旅は。あなたに。
 
旅ができないのなら生きていなくていいと心から思った。わたしというのは、この期に及んで何もかも投げ捨てて旅をしたいと考える人間だ。もちろん実現はさせないけれど。
 
だから私はずっと決めていた。5月を定休月にするのだ。年収を11か月で獲得しなければならない。それを実現できなければ飲食店をする意味が全くないのだと思う。
 
店は、先生方にもランチをするべきだと言われた。スペースにかなり余裕があるのでテーブルがおけるし、カウンターは広々なので、もし東京みたいにきつめに席をつくるならテーブル席とあわせて今の倍は作れる。それでランチのイートインとテイクアウトを是非ともするべきと言う。私は大いに心を動かされたけれど、でも本当にそうだろうか。
いずれにしてもランチ営業をするなら私は眠る暇がないので、誰かにお願いしなくてはならなくなる。人をいれて対応するほどの利益は上がらないと思うのだ。誰が来てくれるか、お客さまのイメージが湧かなかった。それは夜もそうだけれど。
 
前に書いたかもしれないけど、私は「店は清掃」だと考えているので2時間くらい掃除をして買い物と仕込みを済ませて疲労困憊するころに営業時間となり、終了後さらなる厨房清掃をして、というと本当に1週間と体が持たないはずだから、誰かがどこかをやってくれると助かると画策中。要するに一人では気持ちがはやるだけであって、私は何もできない。