角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

包丁研ぎ見習い。


食事時間がなかったり、食べなかったり、食べたりしているうちに少し太った。
自分で選んだ忙しさなので愚痴をこぼすわけにはいかないけれど、学校は思ったよりもかなり厳しい。それでも社会人の多い夜間の学生には少し緩いところがあるけれど、基本は、ヘアカラーもアクセサリーも禁止だ。ピアスも禁止。ネイルや香水などはもってのほかだ。化粧だって濃いのはいけない。実習の時には服も靴も取り換え、コック帽も必携だし、10分遅刻すると実習には参加できず、欠席扱いとなる。
 
私は4月から、夜間の調理師学校に通っている。入学式の2日前に旅行から戻った。
 
実習では、西洋料理、中華料理、日本料理を一通り教わることになるが、全部で6本の包丁が配られた。刃のない包丁に刃をつけるところから始まるので、包丁が仕上がらなければ調理はできない。そんなわけで、週末は家でも包丁研ぎをしている。
 
日本料理以外は両方に刃がある、いわゆる両刃だが、日本料理だけが片刃だ。クラスに2人、左利きの人がいて左利き包丁を使っているけれど、これから相当に苦労するんだろうなと思った。
茶道は右利きの文化だと考えていたけれど、日本料理の世界も十分に右利き文化だ。刺身をひいて重なって行く方向が逆の仕上がりになるのは、なかなか教える方にとっても簡単ではない気がする。
 
包丁は金属の層になっていて、刃をつけるというのは、上層を削り、中の鋼をだして研ぎ澄ますことなのだが、それは日本刀と同じだと教わった。
つい先日も4針縫うほどの怪我を、よそのクラスの生徒が負ったとも聞いた。集中して研がないと、指が転がるとも言われたが、それは脅しでも何でもなく、本当の事だ。
ボール紙製のケースに刃先をしまおうとして少しケースに刃があたって、そのままスーッとケースが切れてしまった。ぞっとした。それで、私はちょうどウルトラビギナードライバーだったときを思い出す。真剣この上もなく、包丁を研いでいる。
 
帰りは遅い。毎日残業の気分だ。で、今日もこれから包丁を少し研ぐ。
砥石を扱うと、砥石の泥が爪の間に入り込む。汚い手になる。
 
なんのためにそれを選んだか、なんてことは考える余地なく、料理の味は包丁だと、日本食の先生がおっしゃるから、包丁がもっと切れればいいと思って、研ぐ。
 
そしてすぐに眠らなければ朝がつらい。追い立てられると、もともと酷い文章に何の気遣いもできなくなった。随分つまらない日記をアップするのはいかがなものかと思うけれど。

ちなみに本日の実習は大根切り。3時間くらい立ちっぱなしで、大根を切った。
日本料理の試験課題は「かつらむき」なのだそうだ。