角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

ひとつ決めた。

 

8月はビアガーデンをやっていた。
例年に比べたらずっと小規模ではあるけれど、とにかく夏はここでビールを飲まずにはいられない人々というのがいるのだと理解した。
来年も目前に迫っているけれど、雪まつりも規模を抑えて開催されるらしいので、これにはびっくりだ。いろいろと呆れたり諦めたりすることばかりが多くて自棄になりそうだとはいえ、多分自分はほぼ確実に自暴自棄になることはないだろう。なんだかそういうのは恥ずかしいと思うからだ。
 
 
さて、冷凍庫にイクラ醤油漬けがある。正式名称はなんていうのか分からない。生筋子をほぐして漬けたあのあれ。母が健在だったころら必ず毎年旬の時期に作っていて、息子が独身のときは拙宅にやってきて食していった。結婚して最初の年と次の年は来訪時の手土産に持参したけれど、今年はどうだろうと様子見していたら、息子配偶者が作ったとのことで、手土産予定分が残って冷凍庫入りしたというわけだ。
 
彼女に作り方を聞いてみると、私とは違うやり方、違う味付けであったので息子は今後そちらの味になじんで行く。私の方は母ゆずりのやり方でしか作らないし自分の作るのが最も美味しいと思っている。何しろ子供の頃から慣れ親しんだ味なのだから。
 
近居のお誘いがあったときに、Gもそうだけれど、私は生筋子のことも咄嗟に考えたのだった。
本州のスーパーに売っているかどうかも分からないし、売っていたとしても当地ほどの鮮度は当然乍ら期待してはいけないから、一生食べられなくなるのではないかと恐れた。

何も四六時中食すわけではなくて、年に一度、多くて二度ばかり購入するだけで十分だ。
そういう季節のお楽しみがいくつもあって私の一年は過ぎていく。食に囚われて身動きできないタイプともいえる。
どう考えても、どう転んでも、良い母親でなかった自分が良いお婆さんになれるはずもないので、そういう妄想をするのはやめようと思う。
 
なかなか決心が定まらないので、母に夢にでてきて欲しいと思った。夢でどうしたらいいか教えて欲しいと願った。でも母は夢に現れない。
 
何もかも自分で判断するために私は大人になったのだ。
冷凍庫のイクラは凍ったスタイルのままガーゼでくるんで酒粕をまぶして解けないうちに冷凍庫に戻しておこうと決めた。