角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

ひとり越える。

 

♪何があってももういいのぉ~、日差しが暖かかったのでつい口をついてしまった。私、天城を越えるのか、ひとりで。

新婚旅行もできればひとりで行きたいタイプなのだけれど、先日息子宅で人見知りの激しい飼い猫2の方が、私のひざに乗ってきたのはとても嬉しかった。そんなそぶりを見せては諦めて遠くに行ってしまう動作を2回ばかり繰り返したあとのトライだ。おじいさん猫は慎重だ。

私は一人っ子だけれど子供の頃は十姉妹がいた。大人になってからは金魚、めだか、ふな、かえる、どじょう、ざりがに、事務所でサンショウウオと全部水槽がらみだったので、猫と暮らしたことはない。

初めてのときは別の部屋にこもって出てこようともしなかったのが、猫に選ばれる嬉しさを知った。

昔は犬の方が好きだったけれど、最近では犬の過剰な感じが疲れると思うようになった。だからもしあなたに会ってあなたが全身全霊好意のかたまりになって全力で私にぶつかってきて私を押し倒しても私は受けて立つ自信がないし、そのまま失神してしまうかもしれないし、息を吹き返さないかもしれないので、ご注意ください。

これを杞憂と言うのだろう。

旅行の折には猫のよろこぶお土産を買いたいけれど、そういう行為がむしろ猫をとおざけるかもしれない。猫は追わず拒まず心はひとり天城越えってところか。猫のいるひざの暖かさを思う。

それにしても、私は旅行以来天城越えの歌詞が気になって仕方がないのに、それをうまく自分の言葉にできなくてもどかしい。たとえば穂村弘とか小田嶋隆なら上手く書いてくれるに違いないと思った。おふたりは全く違うけど。