後輩スタッフと一緒に退社し、愚痴を１時間ばかり聞いた。
私は、うまいぐあいに新入りとして何らの洗礼も受けずに仕事をしているけれど、彼女の場合はそうではなかった。ずっと辞めたい気持ちのままでいる。大変気の毒だと思う。
性格だとか、人柄だとか、そういうこととは関係なく、前からいる人間は新人に知っているすべてのことを教えなきゃならないと、私は考えている。それこそ全身全霊で。「前にも言ったよね」というくらいナンセンスな言葉もない。何度でも何回でも聞かれたらきちんと答えなきゃいけないと思う。物が言えない、聞けないというのが新人にとっては最大の困りごとだ。
すっかり萎縮している人が気の毒でたまらない。
私はそういう得体のしれないことをする集団が嫌いだ。でも私とて10年前後のベテラン先輩たちにとっては経験の少ない新入りなので、私は頼りにならないし、自分を守るのにせいいっぱいでもあるから、こういうのはおかしくないか、とねじ込む勇気は皆無だ。
私は今の職場を自分の人生で最後の職場だと捉えているので、少しでも働きやすくなればいいと考えている。
でも、はっきり書くと、ボスの人が賢くないと、賢くない集団が出来上がる。でもボスがいなくなれば次のボスが発生するだけであるし、現在ボスのシンパしかいない系列からは現在ボスと同様に賢くないボスが発生するんだろう。賢くないひとのしたで働くことはこの上もなく苦痛だ。
だから私は自営業を選んだのだった。
現在の職場では、賢くないひとは集団のボスであっても私の上司ではなく、おなじパートの同僚であるため、結果、どうでもいい。その場をしのげばそれでいいと私は考えている。私は盛大に鈍感力を発揮する。これは力だ。ついでに老人力も発揮しようかと考え中だ。
後輩彼女には是非自分自身をかばう力を身に着けて欲しいと願う。そんなふうに毎日をつらく感じているのなら、私ならもう既にあっという間に辞めているよ、と言ったけど。
