角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

もいちどの。

 

もいちどの通りだとばかり思っていたら餅飯殿通りだった。
 
伊丹の空港から京都に行って、そこから列車で石山に行って初日は着くだけ・泊まるだけ。
翌日ミホミュージアムにバスで。相当な時間を費やすつもりが寒さや空腹で降参。旅の途中でいつも何かしら食事的不遇にあう。
美術館の展示の話はさておき、レストランは開店前から長蛇の列であり、並ぶ習性の殆どない私にはちょっと考えられないことなので諦める。
  
ミホミュージアムへの行き方を書いたどなたかのブログで、レストランが混むから石山駅のコンビニで菓子パンでも調達しておくのが良いとあったのを思い出した。そうすればよかった。あたたかい飲み物にすらありつけなかったから魔法瓶だって必要かもしれない。
 
石山に再び戻り、戻るしかないんだけど、石山→京都→奈良へ。
京都も少し寒くて、どこも混んでいて、奈良のホテルは早々にチェックインして温泉につかる。
 
翌日の奈良はあたたかく心地よく、やっと体調を取り戻す。
 
実は出発する数日前からなんだか調子が悪く、何のせいかすぐには気づかず、これは数年ぶりの風邪かと思えば、そうでもなく、やっとアレルギー性鼻炎であることに気づく。ちょうど洗濯物を絞らずにハンガーにかけたごとくに、鼻水は滴るのだった。そんなわけで頭がもうろうとし、いつも以上にぼうっとしながらも、無理やりにスタートした。鼻や耳系統が不調のためか、飛行機の中では耳が痛いのを我慢した。
 
大体、でかけるときは暖かいところに行ってのんびりしたいというのが動機なのだから、出先が寒いと、本当に嫌がらせ以上の酷い目にあわされている気持ちになる。
だから奈良の好天が本当にありがたく、春日大社のおかげだと思った。良く分かんないけど。
で、鹿煎餅は買わないくせに、鯉のえさは買う。鯉が不気味とか思いながら、必ず鯉がいるといつまでも見てしまう。もう鯉のとりこなのだ。
今回は鯉に食パンをそのまんま与える中国人、には遭遇しなかったので私が盛大に餌をまいた。
万葉植物園はたいそう、ようございました。
 
もうひとつ、奈良のホテルがとても良かった。何もかも良かった。
大浴場のあるホテルでは、早い時間にチェックインしてすぐにお風呂に向かう。早い時間は利用者がいることの方がかなり稀なので、きわめてのんびりと静かで贅沢なお風呂タイムを過ごすことができる。カラスの行水とはいえ。
 
 
たった3泊4日の旅行の間、4冊の本を読んだ。3冊はあちこちで購入し、1冊は奈良の図書館で。
旅先の図書館、というのも最近見つけた新しい楽しみ方だ。朝にホテルを出ると、もはや一日中歩き回る体力がないし、疲れたといってもいちいち飲食をしたいわけでもないし、どこも混んでいて落ち着かない。そんな時は図書館に限るのだ。
あたりが全部外国人だったり、外国語しか耳に入ってこない環境から静かに一人になれる。
知らないまちの図書館ですごすのはとても楽しい。
 
 
自宅に戻って、普通にパートの日々が始まって、しみじみ思った。私はあたたかいところで本を読みたいだけなんだ。
一生懸命働きたいわけでもなさそうだ。
 
今の仕事を全部やめたら、もっとしばしば旅ができるんだろうか。あるいは漂泊のひとになれたりするんだろうか。いわゆる旅を栖とするやつね。デラシネとも言うのかな。さっき天平庵の和菓子が届いて、とても美味しいので、奈良もいちど。