角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

老人クラブに入ってみた。

 
旅のことを考えていて、一人旅が出来ないさびしがりや、とか書いてあったので、それなら私は、さびしがらないや、ってところだ。さびしがらないやがら、これはぶどうだと思う。

海外旅行については、0.5%くらいで「行ってみたいなよその国♪」と憧れることもあるけれど、終生国外に出ることはないに違いない。不自由さと憧れを秤にかけてしまう。
というわけで専ら国内を歩き回りたい。
パックツアーを利用したことはないけれど、調べてみると個人手配よりも安上がりなツアーもあるので、これからはそれも視野に入れよう。

けれど旅の醍醐味は行く前のプランニングにあって、その楽しさといったらない。列車の接続を考えたり、ローカルバス路線を調べたり、ご当地グルメを検索したりしていると真剣に嬉しくなる。私の旅はまさしく逃避行だ。いったん現実を保留する。だから私はほかの人が言うように、旅に飽きたり、帰りたくなったりはしないのだ。
  
 
ところで、私にはとても酷い話だと思えるので少し。
  
仕事も決まらないし、じっと閑居を決め込むと言葉を忘れたりするかもしれないと、某老人クラブみたいな組織の会員になってみた。NPO法人ではある。平均年齢73.5歳とあるので、別に今加入しなくても全然いいのだけれど、サークル活動項目にノルディックウォーキングがあったので知らないところに行けたりすると楽しいかなと思った。

年会費を振り込むと月報が届き、自主的行動に任せるとあった。

映画観賞サークルに、たまたま面白そうなのがあったので、初参加を申し込んだ。会費が150円とあったので、私の大馬鹿なところなのだけれど、150円で映画を見ることができるとすっかり勘違いした。それはサークルの代表者に時間確認の電話を入れたところで分かった。
映画のチケットは当日自分で買い求めてくださいね。と言われて初めて知った。他の参加者の分はその人が代表して複数枚数をインターネットで購入しますと仰る。私が申し込みをしたのは期日内だ。で、会費の徴収があるからロビーでお互いに探しましょうという話をされた。面識はもちろんない。
 
電話が済んでから考えたのだけれど、ひとりでチケットを買って、好きな場所で見るなら、いつもの通り一人行動で良くないか。人と待ち合わせる必要もないだろう。
映画のあとは、任意の食事会があるらしいけど、それは特に誘われなかったし、私もあまり乗り気でないのでそれには参加しないとお伝えしたので、なおのこと、参加費を徴収されるという意味が分からない。
いや、参加費の意味は本当は想像がつく。連絡事項があるとかコピーをとる必要があるとかそういう類の諸経費と、都度都度の参加費をNPOの収入に組み込んでいくという目的だろう。
 
それは分かるのだけれど、今回の事実のみを切り取ると、なにがしかの説明で私のコンセンサスを得る努力があっても良いのではないかと、考えた。こういう場合は、全く金額の多寡ではないといつも私は思う。150円くらい黙って払ってよ、という雰囲気が嫌なのだった。
 
チケットは「わたくしだってインターネットで購入できますわよ、おくさまっ」って感じで、ついうっかり買ってしまった。
でも、くどいけど、参集して徴収されるというのが、今回は特別にいやなので、急な用事が入ったので参加しませんファックスを送っておいた。そのうえで面が割れていないのを幸いに、個人として見に行くという話。性格悪いんだ、私。
  
こちらも、ひまにしてるんならと、始めたことだけれど、前にも書いたように、今ほんの少しばかり自宅パソコンでできる視覚障害者のための作業もしている。

一方、聴覚障害者のためのサポート体制のひとつに要約筆記というものがある。ノートテイクとも呼ばれているものだ。これは何回かの養成講座を受講する必要があり、かつ、そんなにイージーではない試験がある。この試験等を統括しているのが特定非営利活動法人のなんたらというところだ。全国に一つきりだと思う。事業内容は要約筆記の全国統一試験のほかに、要約筆記の技術講師の派遣などがある。もちろん事業であるから有料だ。
 
この講座は、地域の関連福祉協会が無料で開講するけれど、テキスト代が前期に4500円かかる。後期も受講必須だけれどテキスト代については通期で4500円なのか、後期も発生するのかは不明。もちろんその特定非営利活動法人のテキストだ。さらに受験料も必要だ。
 
私たちはテキスト料を払って学び、受験料を払って合格すると要約筆記者となり、ボランティア作業をする。交通費のみは実費請求可能であるが作業は、だからぁ、ボランティアだ。
 
私は、テキスト代や受験料が発生することが悪だとは言っていない。
本当に心から不思議に思うのは、なぜ視聴覚者サポートの仕事がボランティア枠なのかということだ。検索しても、そんな記事が見つからないので、自分が何か極悪非道な人間であるような気がしてくる。
 
嫌なら関わらなければいいのかもしれないけれど、私が知りたいのは、なぜなのかということだ。自分が150円を惜しんだり、4500円超を惜しげなく支払う根拠を自分の中に持ちたい。