角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

とげ。

 
雪まじりの雨が朝から降って結局どこにも行かずに過ごした。
 
店には、小さい目標のようなものはあって、そのために何とか時間を割いて勉強しようと考えていた。
それを続ける意味を失ってしまい、私は何か小さなことでも、勉強するような日常がなければいてもたってもいられない感じなので、途方に暮れている。
 

そこの540円カレーが好きでしばしば通う店は、以前にも書いたけれど、知的障害者の人が働く店だ。店が出来てから何年も経つうちに、その人たちはすっかり仕事に慣れ、冗談も言えば切り返しも私なんかより余程うまい。カレーだけじゃなく、心地の良い空間なので、のんびりするけれど、のんびりしながらも、少しちくちくと小さな棘がささる気もする。コンビニもクリーニング店も潰れかかったような食堂も、まちは働く人で満ち満ちている。
 
店では、どうしたって15時間は居たけれど、私がしていたのは仕事ではなかった。対価がないのは仕事ではない。私はただ、ゴミを作っていただけだ。
 
そして今はというと、自分がまるでどうでもいい存在の役立たずであることがはからずも露呈されたうえに、やりたいことも好きなことも分からない状態だ。
私は恥ずかしい。働いてもいないくせに一人前にお腹を空かせたり、眠くなったり、お風呂に入ったりすることが恥ずかしくてたまらない。もう私なんかは食べたり眠ったりしなくていいのではないだろうかと思う。
 
 
でも旅行には行く。こんなに楽しみな旅はない。1週間旅にでようと、ひと月旅にでようと、どうでもいいのに、つい気兼ねして短いスケジュールを組んだ。店の清算関係がこんなに早く終わるなら、とっとと出かけてしまうと良かったのに、いつもそういうのは下手だ。
きっと帰りたくなくて泣きそうになるはずの、最後になるかもしれない旅だ。