角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

進路決め

 

授業がなかったので、休み。外部講師である日本料理の先生に、学校の先輩がやっている店に連れて行ってもらう。飲食目的ではないので、2、3品いただき、例の阿部勘純米吟醸をほんの少しいただく。

私は、新人サラリーマンが何もできないのに給料をもらうのが不思議だと書いたけれど、それは今でもそう思っているし、そんなくだらない制度がなくなれば、あほらしくて役に立たない面接もなくなるだろうと考えている。ひるがえって、自分が今、さらに実力をつけたいと考えたときに、何もできない上に、期間や時間に制限をつけたりして、それでもなにがしかの報酬を得たいと思うのは間違いだと思った。
 
1月2月は従来の仕事でずっと前から押さえられていて、とりあえずは年末までしかできない。しかもその間に数回は習い事(笑)のせいで休みが欲しい。体は絶対にこわしたくないので、そんなに長い時間はできない。ここで無理をして体をこわすと、戻ってこれないからだ。普通の板前修業なら、追いまわしで魚にふれることなんかできやしないのを承知で、魚に触りたいとか言う。魚はきっと実現しないと思うけど。
 
こんな我儘勝手な要望を私は是非、通したいので、そのためには給与は要らないと言うしかない。 
 
先生もそうおっしゃった。その上で、すすきのの店を紹介すると言われた。旅行から戻るまでに話を通してくれるとのこと。先生を信頼してお任せすることにした。

料理人の世界はなかなか濃密なつながりを持つ独特な社会のようだ。自分の技術向上の意味合いもあると思うけれど、転々と店を渡り歩いてレベルアップしていくのが常だから、その店ごとに先輩と後輩ができて、その関係は純粋な実力とは別に覆ることはない。飲食店でいえば超一流店の見識もあれば、下のほうは飲食店なのか何なのか境目のなさそうなところまであり、そうなると飲食店業界もきわめてアウトローと接触しやすい側面ありありだと思う。雨にぬれる時というのは、ぬれてると気づかないうちにぐっしょりぬれているものだ。
 
ぬれるかもしれない、雨のしずくが少し降りかかるかもしれないとおそれる時は、学校との関係を良好に継続すると、学校は真っ当な方向を向いているから、傘になると思う。
 
まあそんなにびくびくするようなことは何もないし、こわい方向に自分が流されていくこともない。何を言いたいかというと、いわゆるボーダレスなピンキリ業界であると私は考えている。それは「食」が根源的な本能であることから来ると思う。
 
 
料理人の世界は過激で不条理だという。蹴飛ばされたり、鍋で殴られたり、もっとすごいのには包丁で刺されたというのがあった。それは犯罪だ。