角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

東京メトロ。

 

去年の今頃も暑がっていて、近くのデパートに行って冷房にあたっていたりしたから、事実上は何も仕事をしていなかったのだと思う。仕事をしないんだから、会社がなくなるのは当たり前だ。
 
携帯が鳴って、どこで鳴ってるのか探しているうちに切れてしまった。昔なじみのお客さまからだったけど、何も伝言がなかったので、コールバックをしなかった。仕事ならば必ず伝言を残すか、メールをくれるかするはずだし。
 
もとの業界周辺とはまるでつきあいがなくなっているので、携帯の懐かしい名前をきっかけにずるずると考えたけれど、思い出すのは顔ばかりで、名前はほとんど忘れかけている。
好きだったのは自分の初期から中期にかけての文書作成とか企画書作成とかそういう仕事だ。得意先社の経理の人が、私の仕事を「なにも難しい仕事じゃないんでしょ?」と言ったことがあるけれど、本当にその通りだと思った。あ、私は簿記の資格も持ってるけど内緒にした。
 
後半から少し仕事の方向を変えたけれど、それはもういい。
独り現場ではビッグデータを扱えるわけもないし、仮にチームを組んで企画をたてて、5人編成ですすめたいと言う案件があるなら、あらかじめ5人以上のスタッフがいて設備のある会社に仕事は持って行かれるから、それを分かっていて設備投資、たとえば分析ソフトを入れるとかいう暴挙はしなかったし、新幹線なんたら期成会の集まりの時のアンケートで、新幹線誘致に賛成したのは99%(笑)みたいなものも、もうたくさんだと思った。やりたいことはあったのだけれど、私は営業力も政治力もないので、私にはいろいろ無理すぎた。
 

一方、きのうの私は熱中厨房にて、羊羹づくりをしていた。大鍋の傍で練り上げる作業はなかなかだ。汗が鍋に入ってはいけないので、のぞきこんだりはしなかった。胸の谷間は東京メトロのごとく汗の頻回走行となった。
 
体力的には、一昨年だったと思うけれど、2度ばかり空港の通行量調査に携わったことがあって、その時の下見で空港内をいろいろ歩くのに3時間くらいかかり、その方がしんどかった。調査当日も、とにかく広いので歩いたり走ったりして、声が掠れるくらい疲れ切ったので、今の方が軽い。
  
 
担任の先生がすすめるような単一品種に特化した飲食、たとえば焼き鳥とかハンバーグとかが自分にできるとはとうてい思えない。アイテムが少なければ1アイテムあたりのボリュームは大きくなるから、仕込みの時の重量負担は増える。やっと持てる鍋に、満杯の水や食材を入れたら、それだけで持てなくなる。
 
何度も書くように女性の料理人が少ないというのは、業界の古い制度とかではなく、ただただ力のなさだと私は信じている。現に、ねりあげた羊羹の鍋、鍋は打ち出し鍋で持ち手のない、いわゆるやっとこ鍋は、やっとこで持つけれど、自分の腰よりも上にあるレンジから、やっとこで重い鍋を持ち上げることなど自分にはできなかった。動かすこともできなかったのを、店長は片手で持って厨房の端まで歩いて熱々の羊羹をバットにざぁっと開けた。
 
だから、そういう体力的ハンディを乗り越えるには複数アイテムを少しずつ作る方がまだいい。もちろん重量的な話で。しかも雇用される立場では椅子に腰かけたりはできないけれど、独り現場ならば、そういう辛さは工夫次第で軽減できるものだ。だから私が最終的に飲食店に就職して生活する、ことはないだろう。
 
そうすると、できること、適う場所というのは自ずと絞られてくる。
 
それでコンセプトワークとか、資金のこととかをざらっと頭の中に置いてはいたけれど、それが先日グリストラップの設置義務化というのを知って、根底から揺れそうで困っている。困ってもしょうがないので、来週にでも担当部局で話を聞いてくるつもり。それは水道法のことだけれど、それ以外にもちろん保健所、それから消防法と関係法規をクリアしなければならない。クリアしてはじめて造作のプランに着手できるのだ。
 
これからのことを逐一日記に書くつもりはないけど、私は自分が馬鹿だったために、昨年の一年近くを無駄にしたと思う。私は無駄遣い女王だ。