角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

貫通創


人が人に中途半端で在り続けるからジョージ秋山の絵のように泣くのだ。耳まで裂けるほど口をあけ、赤い日を飲み込むほど口をあけ、顔に出さず声に出さず肩も震わせず、ただ胸の中で焦げ付いて悲しみは命を貫通する。
 
極貧の人がいた。中途半端に極貧で、あきらめのつかない極貧のいいかげんな希望をばっさりと切った。
 
iさんの戻りがひと月近く伸びた。仕事は中座した。iさんの企画が美しくなかったからだ。
けれど、しゃちょーとわたくしは、iさんとの交流があと少ししかないのを知っていて、中途半端な優しさで駄を受け容れる。

恥じずに生きるとはどういうことなのか私は分からない。
明日をもしれぬiさんや極貧さんや、しゃちょーや私ら、中途半端な人間がいっとき華やぐのは恥知らずなのか。
極貧が見る夢は恥なのか。