眠ることについて激しく考えていた。よそのお宅の断面図が見たくてたまらない。あ、人間は要らない。私はマットレスって知らない。いや、知ってるけど、使ったことがない。ネットで見ると何だかいやに敷いて敷いて敷きまくっている人がいる。変だ。
と、布団のことを考えていたら、洗濯機の排水が突然止まってびくともしなくなったので慌ててクラシアンを呼ぶ。洗濯槽を洗っている最中だった。
洗濯機はもう少しで30年を迎えるので何とか大事に使いたい。私はいわば洗濯機処女みたいもんなので、親元を出て以来、あ、ちがう、結婚以来かな、この洗濯機しか知らないので、すごい古い機種だと言われても、今どんなのがあるのか知らないので。
冷蔵庫だってそうだ。かれこれ20年近くなるんじゃないかな、もう超えたかな。パッキンもゆるまないし、十分冷えるんだし、見た目だってきれいだ。だから、これでいい。
大体、ものの形があって、十分動くのに、捨てる意味が分からない。車だって、普通に走っているうちは絶対に買い替えないと思う。
クラシアンさんが帰ってから身支度を急ぎ、同期会にでかけた。４年振り。
100人近く参集した。クラスを代表してスピーチ、ったって近況報告だけど、を手短にした。「お前は高校の時、ちっとも笑わなかった」と言われる。「ずいぶん大人びた感じで、私たちとは違ってた」とか言われる。さいですか。
タイミングを少し外したりするのは私の特技なので、二次会集団をやりすごし、とっとと帰って来た。仲の良かった数人と話せたことを除けば、総じてそんなに楽しい場ではないと思うし、ここから先はきっと生存確認の場になっていくんだろう。
