角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

ここなら人がこない、

 

といって先生は、
私をビルの屋上の隅っこに連れて行き、そこで私たちは思う存分、後進駐車の練習をした。
  
車を独りで運転できるようになってから丸一年が経過したので何か書いてみる。
 
納車以来、しばらくは知人に同乗を頼んでいたものの、彼の教え方と、私が期待する教えられ方が合致せず、反発し、すっかり嫌気がさして、乗らない選択をしようかとすら考えていたが、家族の事情でAT車に入れ替えたのを機に、何度かメールで質問させていただいたPD(ペーパードライバー)教習をたのみにした。
ここは、MT車講習はしないというので、AT車に換えたと伝えた。
 
PDレクチャーは、初回に「これでいい。独りで大丈夫」と言われ、途端に自分の抱えていた不安は解消され、2回目に駐車練習をして終わった。
そして、毎日、短時間で良いから乗るように言われ、毎日乗った。気候の良い時期なので毎朝4時過ぎに起きてふた月乗った。走っている最中に大雨に打たれたこともあるし、日の出方向に走り、まぶしさで信号があるかどうかも分からなくなったこともある。
今、エクセルを開くと、日平均60分乗っていたようだ。
2か月を過ぎて先生にメールをすると、今度は長い時間運転する練習・夜にも慣れる練習を、と言われ、そうした。
 
10月には「日帰り温泉」という、車を持たない時分には考えもつかなかった楽しみを覚え、そのまま冬も走り、雪道にハンドルを思い切りとられたり、とまれなかったりも経験し、今年は雪解けを待って峠越え、高速デビューをクリアした。

今でも、ドライブの後は、本日の走行を振り返るけれど、先日、高速道で「80キロで走るならば有料の高速道路の意味がないのではないか」と思って抜いたとき、たまたま同乗者がいたが「80キロで付いていけば良いのではないか」とたしなめられた。

速度に馴れたせいもあるが、どちらかといえば穏やかに走るよりも、出せるところでは出したいタイプなので、気持ちと実力が乖離していることを踏まえ、もっと謙虚に走った方が良いに違いない。
 
この先生がいなければ、自分はいつまでも運転できなかったと確信する。本当に感謝している。
と同時に努力次第で何とかなるということも理解した。
 
努力は必ず報われる。ことを知るのはとてもいいことだ。
 

そしてそれから
必ずしもすべての努力が報われないことを知る。