角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

砂糖の中の塩

 
見るのもいやだ、と車の話をした夜に車の夢を見た。雪山の木立を縫って走る夢だった。
もういい頃なんだと思い、車の雪おろしをしてから、プールに行き初泳ぎ。少しハンドルをとられ気味になると、緊張した。
 
きょうは森林公園で初「歩くスキー」をこなして汗だくになり、そこからまたプールに行った。帰りに寄った宮田屋ではもう、どこぞの店の牡蠣のように放心アンド弛緩のゆるゆる状態で、アチェガルーダを。
 
体を動かすと気持ちが晴々する。
気持ちの良い場所で美味しい珈琲をいただいて、何度目かの小さい覚悟をした。

覚悟というのは何か息を詰めて自分の周りに線を引くようなものではなくて、束の色鉛筆からためらいもなく1本選んで矢印を描くようなものだと思う。誰からの指示も示唆もなく私が描きたい方向に矢印を描く。
 
先日母に、事務所の面倒を話して、正直にやっていると馬鹿を見ることがあると、ついつまらない愚痴をこぼしたら、すかさず母が、馬鹿を見たって良いではないかと言う。
狡猾な親なんか要らないので、母で良かったと思ったし、やっぱり私は私でいていいんだと思う。
 
ひょっとしたら私はしあわせかもしれない。
 
宮田屋の8人掛けのテーブルで、熱い珈琲を飲む。
飲み干すときにお店のぐるりが見えた。ご一緒したい人を思うと、鼻の奥がつんとした。
 
手も足もほかほかで、空になったコーヒーカップもまだあたたかいのだった。