角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

髪を切った。

 

潮時ってのは、簡単にくる。今までさんざん迷って引っ張ったけれど、今日は仕事絡みで朝から空港に行き、切ろうと思い立ったので空港から予約をいれた。

私は去年、飛行機に乗り遅れてしまい、原因は簡単に言うと、前の晩にしていたゲームだ。単純なテトリスみたいなゲームだったけれど、それはぼんやり時間をつぶすのに最適で、時間をつぶした挙句のほんのわずかな寝過ごしだった。私は搭乗締切に1分遅刻した。

自分を屑だと思ったので、それ以来そこにアクセスしていない。もともとゲームに夢中になったりできない性質だが、ぼんやり考え事をしたい日々が続いていたから、そんなことになったと思う。
そういう潮時というのは、あっけないくらい突然にきっぱりと来て、二度と後ろを振り返らない。

土曜日、以前の仕事先の人からの着信が留守電に入っていた。
私は以前の仕事をもう引き受けないに違いない。

美容院の椅子にすわったのは、まだ暮れていない時分で、差し込む光が容赦なく大鏡の私を照らしたから、私は潮時の意味を考えざるを得なかった。

酷一刻。

今よりも、もう少しくびれていた頃、足首が細い頃、二の腕が白かったとき、眉尻がきりりとしていた頃、目の光が強かった頃、口角が上がっていた頃、声のつややかだった頃

それらは全ていつも昨日のことだ。あなたにあわない日のことだ。

会ってどうするのだと言うかもしれない。
しかし、あなたは絵画を見てどうするというのだ。ただ無心に見る、それだけだったのではないか。