角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

今日のナニカ

 

水槽のナニカが卵のうの中で、夢から覚めたように体を震わせた。
おたまじゃくしでないと理解した日は「おたまでない速報」を、翌日は「今日のナニカ速報」をバイト1号君に発信した。孵化1号にぜひ「プノンペン」という名前をつけて欲しいと懇願されている。

孵化1号は共食い王になるはずだ。自然界においてもそれは避けられないので、そういうものなのだと考えることにする。

いずれ、飛び出さずにはいられないし、鰓がとれたら上陸せずにいられない。卵のうの外の世界が悪夢以上であるかもしれなくても。

進化は必ずしも善らしい方向、優れたらしい方向に向かうものではないという話が好きで、良く考えるけれど、本当にその通りだと思う。

天然の命をむしり取ってきて人工環境に置き、つかのま楽しんだら返却する気でいる私は、数日後に孵化するかもしれないナニカを置いて、旅にでる。まあ、私らしいと言えば極めて私らしいので、孵化した際にはフリーズドライえびを与えて欲しいと伝え置いた。

オオサンショウウオであるならば、水槽を超える大きさになって30年くらいは生きる、というので、私のほうが早くしんでしまうと言ったら、居合わせた人みんなが、とても嬉しそうに爆笑した。