角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

乗り換え美人

 

タイトルは、どんまいで。

さて、自分は更新性格なので、出張レポートを各回ごとに書かなきゃいけないような気がしているから一応、備忘として。

こないだまで肌身離さず抱えて読んでた花村萬月の本の中で、北海道から九州まで野宿旅をした経験から、ビギナーは北海道から始めたら良い、というようなことが書いてあって、その理由として、北海道人気質について触れられていた。心理的・物理的に「排除されるということが少ない」と。もちろんどこの地域だからどうだということはないけれど、少なくとも余所者に対する接し方の温かさが書かれていた。開拓の精神がまだ残っていると。

もひとつ。今回の出張には司馬遼太郎の「オホーツク街道」を持っていった。その中で、今ページを繰っていて見つけられなかったので、言い回しは違うかもしれないが、北海道人の心の輪郭は本州人よりも一回りくらい大きい、というような著述があった。

三岸好太郎を「札幌に似ている」と言う。また逆に「要するに、札幌は三岸好太郎に似ている。風土が希薄というより、希薄なのが札幌の風土だとおもえばいい。」というくだりもあって、これはまさにその通りだと思った。

必ずしもそれが絶対の善であるとは限らないから、「おくにじまん」をしてるわけじゃなくて、ただの前振り。


ホテルの照明は薄暗く、本を読むには暗かったので、ぼんやり考えた。新宿のうどん屋のおにいさんは超イケメンであったことと、過疎は貧困か。ということだ。じゃあ過密は豊かであるのか。経済視点だけでは計れないことだってあるんだと思う。

所用の帰りは渋谷が最寄駅だったが、終了が17時を回ったため、「ラッシュ」という言葉がちらちらし、私は大層焦っていた。あらかじめネットで調べると該当路線の夕ラッシュは18時以降と20時以降とあったけれど、ラッシュの電車で肋骨を折っただとか、新入社員がラッシュが嫌で会社を辞めるとか、そういう記事を読んで戦慄した。それは豊かなことなのか。あるいは豊かさと引き換えにして構わないリスクなのか。

足早に駅に向かうと、渋谷は坂の町なのであった。こんなに勾配があるんなら、やはり10センチといえども、慣れない降雪の時には大変危険に違いない。

結局、該当路線はガラ空きで発車したので、安堵した。

上野には、人がたくさんいて、通常、人のいないところ少ないところを目指す自分には、眩暈がしそうだった。
東京は防御のひとびとが多い。警戒するあまり、臆病でいる自信も、不安でいる勇気も失ったひとびとだと感じた。

人がまちを作り、まちが人をつくる長きにわたる因果を私は知りたいと思う。

ここのところを書き込もうと思ったけど、なんだかあまり書けなくなってしまったので出張レポートは以上で。