いわゆる「便利屋」業を営んでいる友人に聞いた話。
営業項目に「相談ごと・話し相手」というようなものがあって、結構な頻度で発注がくるという。
てっきり独居老人を想定していたら、そうではなくて。
そうではないそうだ。
自宅でお茶でもよばれるのかと聞くと、近隣喫茶店で、夫のこと・子供のこと・しゅうと・こじゅうとのこと・ＰＴＡの人間関係から近所のつきあいのこと、最近有料化したゴミ収集に至るまで話したいことの洗いざらいを何時間にもわたり聞くそうだ。
そうすると大体は落ち着くらしいが、そういう奥様方の真の目的は、セックスなので、危険回避のために自宅へは行かず、喫茶店で、力尽きるくらい話をさせるのだという。
アンモラルな希望にはこたえられないとホームページで言明しているし、怪しい噂がでたりすると、営業的命取りになる。
発注者の何割くらいが、セックス目的なのかとの質問に対し、友人は間髪を入れず言い切った。「百パーセント。」
ネットでのいわゆる出会い系にまでは怖くて踏み込めず、目的意識の明確な性感マッサージには露骨すぎて踏み込めず、そういう人たちが、お手軽な料金体系と、顔をみて話をしてから決められる安心感で電話をしてくるという。「相談」ではなくて、もっと直接的な問い合わせもあるという。
では逆に、お客さまのご要望に応えることは本当に皆無なのかと、しつこく取材する。
彼はなかなか男前であるし、３ドア冷蔵庫をひとりで運べる仕事人であるから、需要は多そうだ。
