角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

少しめんどくさい細かい話を書こうと思う。

KARAS。

 
講習は3回目を終えた。講師はボラ組織の面々だ。まずは標準語の発音やアクセントを身につけるべく、実践指導がある。我々は実際に読み上げはしないけれど、録音時に読み上げをチェックする立場であるから、覚えないわけにはいかない。
鼻濁音や母音の無声化などの話を聞く。母音の無声化というのは、ある一定ルールの下では子音のみしか発音しませんということだ。たとえば「カラス。」というときのスはsuではなくてsであるというように。関西ご出身の人には難しいのかもしれないけれど。
 
それから、ひとりひとりの姓名にアクセントをつけた紙が配布され、それにそって2回目の自己紹介をした。私は自分の姓、これは元夫の姓なのだけれど、を言う時にアクセントがどこにあるのか迷うことが多い。
だから配布された用紙では頭アクセントだったけれど、うしろにアクセントをつけて発声した。カトウさんでなくてスズキさんのようなアクセントで。呼ばれる場合もひとによってアクセントの位置は一定ではない。
 
すると講師が、これは1回目の本人の自己紹介をもとにして作成したものであり、かつ3文字姓の場合は一般的に頭にアクセントが来ることがほとんどである、しかしながら固有名詞であるから後ろにアクセントをつけても構わないと仰った。なんだか憤慨口調で一気に言われてしまった。
 
一回目とは違うのはなぜかと聞いてくれたなら、どちらかいつも迷うことや、少し気取ったり、カッコをつけたり、あらたまった席、フルネームを言う時、などは頭アクセントで話すけれど、普段は後ろアクセントで言うことが多いし、そう呼ばれることの方が多いことを説明できたと思う。自分自身はどちらでも構わないので、憤慨される気持ちを少しは和らげる言い方もできたと思う。でも、聞いてくれなかったので、言わなかった。
 
つらつらと考えると、3文字姓は頭アクセント、とは言い切れないだろう。
先にあげたスズキさんもそうだけれど、アオキさん、イシダさん、イトウさん、ゴトウさん、タケダさん、ホンダさん、マエダさんなどいくらでも後ろアクセントの姓がでてくる。地方によりちがいはあるかもしれないけど。
 
だからそんなにムキになった説明をする必要なんてなかったろうにと思った。
一番いけないのは1回目と2回目で自分の名前を違える自分だ。やっちゃった。
 
 
講師の人の何人かは間違ったアクセントで名前を呼ばれると気分が悪いとおっしゃった。
 
私はとても失礼ですが、ばかじゃないか、と思った。なんてヤな人間だろうと思った。
 
なので、そういう講師の講義を受けたくはないので、仕事を理由に、まだ日が浅いうちにやめようか、とまで思った。
 
仕事自体は、一言一句なレベルで調べ上げるし、例えば「なんとか山」はヤマなのかサンなのかザンなのかとか、また「場合の読み」や、「場合の発音」というものもあるし、引用文の中の外国語も読まなければならないし、自分の趣味とは無関係なので知識の幅も広がる。図表も文章で表現しなくてはならないから、とても興味深く面白いと思う。
 
けれど、なんだか、前にも書いたけど、「補助金をいただいて~」だなんて言葉つきだけへりくだった物言いをしてもずいぶん偉そうな集団だなあと思ってしまった。今はパートの仕事があるから、ストレス解消になればいいと思ったけど、逆にどちらもがストレスになったら、また髪の毛が抜けてしまいそうでこわい。
 
この仕事をするには必ずやその集団に属す必要があり、代替はない。
 
老後の退屈しのぎに、くらいにしか考えていなかったのだけれど、無理にそういうのを探さなくてもいいんじゃないか、何もしなくても構わないんじゃないかと考えるに至った。それは昨日、勢古浩爾の「定年後のリアル」を読んだせいもあるけれど。私はすぐ感化されるし。
 
どこにでも、バカな人間とそうでない人間がいるだけだと、先日書いたけれど、組織ぐるみでエラそうな人間ばかりなら本当に嫌だし、伝染するかもしれないし。あ、それで思い出したけど、前の職場の老人ホームでは、施設に入所している人が時々「私を誰だと思ってるの」と言って職員に絡んでくることがあると聞いた。