角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

はい次。

 

|大阪家族|
高級ホテルは、地下の飲食店も高級であり、そば・うどんの店といえども高級であり、大阪家族は、成人しまくった娘二人を前に置き、会話少なくきつねうどんを啜る。
奥さまは、蕎麦だ。蕎麦湯は要らない。
「要らない」と顔をあげずに言い放つのだった。甘く炊いたお揚げを箸でぎゅうっと押したときのように、高級感が少し油ぎって滲みでたもんだ。たまたま読んでいた本に家族の基本は四人なのではないか、しかも一人はおじかおばであると閉塞性がなくて風通しが良いと書かれてあった。大阪家族に蕎麦湯は要らない。娘はどっちか一人(笑)。
 
 
|東京奥様|
東京アッパー奥様は、博物館であんみつを食す私に声掛けなさる。ここいいかしら?とシックな感じで聞きなさる。アッパー奥様はもんじゃがお好きだという。お好み焼きをゆるくしたような感じよね、とおっしゃるので、調子に乗って、お好み焼きの容器をすすいだ感があると、お伝えした。
コテだかヘラだか知らないけれど、火鉢の灰掻きを思い出す道具だ。重そうなジュエリー指輪2つ3つと、灰掻きイメージがシルバー色で調和したのだった。お別れ際に立ちあがると「まっ、カジュアルな服装でらっしゃるのね」とか言うのだった。
ジーンズとロックポートだったので、どう転んでもアッパー奥様には比肩すべくもないのだけれど、法然も親鸞も往生させてくれるに違いないと思った。
 
 
|鎌倉婦人|
勘違いしていたが、江ノ電に乗ったのは、去年ではなく、今年の2月のことだった。鎌倉のまちなかは今回が初めて。
シャルロット・ペリアンの展示を見に。すてきなタピスリーだと思って良く見るとコルビジェであった。
とか書くと、なんだか「私のくせに」生意気だ。
つくづくビールの小瓶くらいは飲めるといいのにと思った。鎌倉ハムのソーセージとビールのお店があったので、入りたかったのだが。そしてやはり鎌倉コロッケをかいそびれたのであった。
さて、鎌倉婦人といえば、地味なお着物に地味な羽織をはおられて、浅いつばがぐるりについた帽子を被っておられた。帽子ひとつで雰囲気はがらりと変わる。足早にとおりすぎた鎌倉婦人はなんとも本当に素敵なのだった。後ろ姿なので顔は見えない鎌倉婦人。