逃げられるが勝ち
ということだってある。
わたしは正直に、率直に、ありていに、あけっぴろげに、おおらかに、飾らずに、誠実に、素直に、あらんかぎりの言葉を尽くして好きだと言う。そういうふうに生きてきた。
私は無敵だ。なにしろ嘘はついてないんだ、私。
あ、そんときはね。
糟糠の妻がいたりする・婚約者がいたりする・期間限定だったりもする・果ては妻が妊娠中だったりする
だからなんだというんだ。
無敵の私は、意に介さない。
私の正直さに、あなたがたは勝てないんだよ。
私は、デバイスに興味をもたない。あなたを動かすOSにしか興味がない。あなたがあなたであることにしか興味がなかった
そう、大変に都合の良い女であるのだから嘘にぬくもるてのひらで背中をなでてくれれば良かったんだ、
それだけで良かったんだ。
私の無敵のチカラに恐れをいだき男は逃げる。
私が圧勝だ。逃げられるが勝ちだ。
毎年のこの頃、クリスマスとお正月の頃は、お水系の女性の自殺率が高まるんだそうだ。
というのは私の持ちネタだ。そんな話をそおっと唾液で湿らせて、あなたの舌先に差し入れる。
ピークは、より高ければ吉。都合の良い女になりきろう。
クリスマスを勝て。年末を勝ち抜こう。
だが、勝ったところで、勝ち続けて、それ、嬉しいか?
嬉しかないけど、自分の「誠実さ」というものがあるなら、それをどう表現すれば良いのか。
逃げられるほどに、いっぱいに、いや、いっぱいいっぱいに好きだと言って聞かせるだけだ。
勝者はいつも独りなんである。