角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

日差しにだまされてしまう。

 

まぶしさにもかかわらず呆れるほど寒かった。手が凍えそうだった。
にもかかわらず八百屋に行く。この八百屋が大好きでスーパーで買う野菜を少し制限するかあるいは八百屋先行でいくか、その時々の違いはあるけれどとにかく野菜だ果物だ。

果物といえば、そういえば、苺が好きではないのだと分かった。季節の果物はだいたいひととおり買うことにしているけれど、苺を見ても心がときめかないばかりか少しイラついてしまうこともあり、どうしても手にとることができないのだった。
苺って、見かけ倒しの果実であるような気がするので苺ショートだとか苺大福にも食指が動かないし、苺タルトなんていうのも個人的にはどうでもいい食品だ。

子供の時の苺は小粒で甘くて酸っぱかった。香りも強かったと思う。苺は美味しい果実だった。時を経て苺愛が憎悪に変わったのだろうか。別に恨みはないんだけどね。

で、この店では柑橘のセールにいつも河内晩柑が入っていて、河内晩柑の香りときたらたまらない。なぜこんなに安いのかという驚きの価格であるのでリピートする。かなり美味しい。先日はたっぷりママレードにもした。

苺の酸味が苦手であるのに柑橘やパインの酸味は好ましく感じる。
ああパイナップルといえば酢豚、高じて豚肉とパイナップルすなわち酢豚のエセンシャルのみの炒め物を作った。大変美味しうございました。

先日読んだ玉村豊男の本に「新しい料理に挑戦するより、好みの料理を繰り返しつくることが多くなったのは、人生の先が見えるようになってからである。」と書いてあり、納得した。

自分は、そんなに量をこなすわけではないので、栄養バランスなどをつい優先しがちだけれど、好きなものだけで生活してもいいのかもしれないと考える。といっても肉も魚も野菜も好きなので自ずとバランスはとれるに違いない。
私はまだ自分の先が見えていない気がするというか、目の前にあってもきっと気づかない。

そんなわけで野菜が充実した暮らしに殊の外幸福感を感じるので冷たい向かい風であっても八百屋には行くのだった。