角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

白い朝。

 

薄日も射していたし、路面の雪も消えていたので、柳宗悦と芹沢銈介のコレクションから「アイヌの美しき手仕事」いう展示を見てきた。
 
アイヌの文様は面白い。迷路をたどるように眺める。どれひとつとして同じものはないに違いない。展示はアツシ衣を中心に刀掛け帯や器、首飾りなど。見て見飽きることがないという柳宗悦の言葉さながらずっと見ていると文様の夢の中にひきずりこまれるような気がした。
数多いアツシ衣の中では、やはり作り手による意匠の違いはあって、とりわけて凄いと思う色づかい・文様もあり、ヒトというのはどこに居ても、いつを生きていても唯一の存在なのだと思った。
外ではいつのまにかの雪が、空気がまるで粘稠であるかのようにゆったりと降っていて、生まれたときから見ていても雪降りは美しい。私はこの地を離れられないだろうと思う。
 
美術館を出る頃には風が変わり横殴りであったので、美しいとか言ってられない。寒い。
ひさしぶりに寄る店でカレーと熱いコーヒーを流し込んで帰宅。
 
春の日も冬の日もいちにちは簡単に終わる。実に結構なことだ。
 
と、ここで終わるのも淡白なので。

朝、目を開けたら白かったので雪かと思ったら、マスクだった。就寝中、喉が乾燥しないようにとマスクを使用してみたのだけれど。