角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

鶏飯幻影。


マーコットというのは小ぶりの柑橘で、温州ミカンとオレンジの交配だそうだ。時期が短く、5月の末頃にスーパーに並んだり並ばなかったりする。
 
奄美大島に行ったのは昨年の5月で、1年前だというのが信じられないくらい遠く感じるけれど、鶏飯を何度かいただき、大変美味しかったので、家に戻ってすぐ再現した。
 
みじん切りにしたパパイヤの漬物を薬味として用いるけど、青切りの皮なんかでも代用するのだと言う。
みかんの皮を乾燥させて味噌汁の吸い口にするのは、子供の頃の冬の恒例だったのを思い出し、小さくて皮の薄いのがいいなと思って買ったのがマーコットだ。
 
マーコットの皮のみじん切りを薬味にした。
 
バイト1号君に食べさせたくて作った週末のご飯だったけれど、その風味をとても美味しいと言う。それで、この子は大人になったんだなあとしみじみ感じた。たしかに想像した以上に、はるかに良い風味で、おいしい鶏飯になった。
 
嗜好は洗練されるという話をどこかで読んだことを思い出した。
 
それで、今年もマーコットがスーパーにならんだら、作ろうと考えていたが、並んだのかどうか、1週外したら巡り合わないと思うので、どうだったのかは分からないけれど、ウチの鶏飯は幻の味になった。