角度ノート

駄文も積もればログ資産。かもね

温泉話2つ

 

▼ニセコ黄金温泉

ひとりでニセコに行けたら、こんなところで「私女だけど」を出すのも気が引けるけど、多分女性の運転者としては一人前だと勝手に思う。道内の難所と言われる石北峠や毛無峠なんかを越える気はさらさらない。
スキルアップは勿論、気持のトレーニングのために長い時間の運転をしている。遊びの方便かもしれないけど。

で、ニセコに行った。ニセコと言っても広いが、キーワードにした赤井川村行きのコースをさらに延長して国道5号を昆布(こんぶ)まで行き、そこからアンヌプリ方向に入る。
ニセコはスキー場と温泉だらけで、豪から中にシフトしつつあり、英も増えているといった外資導入の著しいエリア。

黄金(こがね)温泉に行く。原野と畑の間の1本道に、いきなり看板が立っているから間違えようもなく。
そこらへん一帯の畑・水田をつくっている農家の方が自分で作ってしまった個人運営の温泉。

露天は湯温が低めだけれど、今まで入った中ではいちばんアウトドアな感じがした。
内湯・釜風呂も全て入る。釜風呂もすごい。底からどんどん湯が湧きだして、どんどんあふれる、まさに掛け流し。良いお湯だった。

お風呂と蕎麦で千円。休耕田で蕎麦を作っているそうだ。なので、100%自作の十割蕎麦。
美味しかったです、とご主人に言うと「そーか、それは良かった」と笑っておられた。

蕎麦を手繰りつつ、奥さまと世間話をしていて米の話になり、すでに新米をご自宅で食しているとのこと、「ゆめぴりか」が美味しいんだよねとおっしゃる。
「ゆめぴりか」は有名府県産米に勝る評価を得た道産米で、流通に乗ったのが昨年だったと思うけど、去年は広告宣伝が先行し、蓋をあけたら冷夏のために作柄が悪く、極めて手に入りにくかったいきさつがある。

帰り際に見つけた貼り紙に「ゆめぴりか」新米の販売、とある。
5キロを頼むと「ちょっと待ってね」と奥さまが、温泉と同じ敷地内のご自宅から担いでこられた。

たくさん運転したいので、遠回りして中山峠コースで帰宅。

美味しいご飯が炊けた。
あと3キロ減量しようとしているけれど、2キロに負けておこうと思う。

あ、それから黄金温泉は混浴。

「高速デビュー・峠越え・混浴温泉に行く」ことが2010年のto doだったので、自分が口走ったことを完遂できて良かった。

 


▼石狩 番屋の湯

再度登場、とんぼがとまる番屋の湯。

夢と知りせば 覚めざらましを いや、違う、こっちの方がいいかも。
生きてよも 明日まで人はつらからじ あ、離れた。
生きていたなら 二分と貸すまじ  これが近い。

温泉ばっかり行くんだな、私は。

そろそろ卒業に近づいているのを感じるので、飽きるまで行くことにした。でも本日は違う。
R274で別なところに行くつもりだったけど、最近いい加減な確認だけで出かけてしまうため、間違いが頻発している。274を逆方向に走ってしまったので、まぁいいかと番屋の湯。

先日も書いたが、石狩市の番屋の湯は、10月15日の閉館までひと月を切った。
別棟のホテルはそのままに日帰り温泉だけが閉鎖するという。今までで一番、駐車場が混んでいた。

で、最初の歌を思い出した。

露天風呂に入って考えた。

茂り放題の夏草が格好な目隠しになっていて、立ち上がると海が見える。

埒もなく茂った草なんかは刈りこんで、自分の好きな山野草や木石を配して、自宅の庭に野趣たっぷりの外風呂をこさえたい。とか思いますか? 私は全く思わない。
今読んでる本の言い回しで書くと、それは「御主人様」になることであって、御主人様になるということは、金に物を言わせることであって、自らが主人公になることとは違う。と。

金に物を言わせるんなら、この番屋の湯、買ってくれたらいいのに。

近いこともあって一番多く足を運んだここの温泉を、私はとても良いと思う。良くても、なくなるというのは全く腑に落ちないことだ。


裸足で歩く板の間の心地よさ。

浴場から休憩処まで板の間を歩く。

男の足も女の足も子供の足も、どの足も湯上りで白い。白くてきれいな裸足が通る。