こう白くて寒いとあたたかさが恋しくて、何年振りかで「あなただけを」を探して聞いた。~ああ今年も南の風に誘われてきたよ~で始まるあおい輝彦の曲だ。ずいぶん古い。新卒で就職した会社で同僚の結婚式に出席したとき同じ課の女性だけでこの曲を歌った。私が間違って早く歌に入ってしまい顰蹙を買ったというのは余談だが。
それで何に驚いたかというと作詞が大野真澄で作曲が常富喜雄であったことだ。大野真澄といえば、あのガロのあの人だし、常富喜雄といえば、よしだたくろうのライブのとき猫も出演していて、そのときに会場からツネトミさぁんと声がかかったあの常冨さんだ。ああそうだったのか。
この曲は1976年に発売された曲でかなりヒットした。
今日は懐かしい曲が思い出され、大滝詠一をたくさん聞いた。中でも珍しい映像は、シリア・ポールと一緒の「夢で逢えたら」だった。これは1977年リリースで、吉田美奈子が1976年だ。私は吉田美奈子のほうに馴染んでいてとても好きな曲だったが、これは大滝詠一の作詞・作曲ということで、そうだったのかとまた驚いた。
しかし、本当に私は知らなかったのだろうか。
恐らく「あなただけを」にしても「夢で逢えたら」にしても私はずっと以前に知ったはずだ。そして知っていたことを忘れたに違いない。しばらく経って目に触れると、さも初めてのように驚くのだ。少なくともラッツアンドスターのカバーを聞いたときに必ず私なら確認したはずだ。そしてきっと驚いていたと思う。初めてでもないのに。
本でも映画でもそんな感じなので、もう持病のごとく私は何度でも驚く。これからだって何回も驚くのだろう。いちいちそのたびに新鮮だ。
全く同じ文言のテキストが数年後にあらわれるかもしれなくても、あるいはもしかしたら今までにも同じテキストが存在するとしても、それが自分なので仕方がないことだ。
70年代の話で終始するのもどんなもんだろうと思うけれど、人には自分の持ち場というものがあるし、隔たったから俯瞰できることもある。